日本語には同じ文字を使った似たような言葉がたくさんありますが、その中で「実践」と「実行」と「実戦」という言葉があります。
三つともに同じ文字が入るこれらの言葉には果たしてどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「実践」と「実行」と「実戦」の違いを分かりやすく説明していきます。
「実践」【じっせん】とは?
「実践」とは、実際に行うこと、主義・理論の通りに行動に移すことを意味する言葉です。
言葉の中の「践」の字にはその過程を通るといった意味合いがあります。
正式な手続きをふむ(践む)、などといった使われ方もします。
ですから「実践」とは、主義・理論の過程を通って実際に行動に移すことを意味した言葉になります。
「実践」の例文
・『メンタルが弱く、練習で教わったことをいつも本番で実践できない』
・『マニュアルに書かれていることを実践してみて、もし上手くいかなくてもまたその時考えればいい』
「実行」【じっこう】とは?
「実行」とは、実際に行うことを意味する言葉です。
「実践」では主義・理論の通りに行動に移すことが条件でしたが、「実行」では主義・理論の通りでなくても、実際に行動に移せばいいわけです。
もちろん、主義・理論の通りに行動しても「実行」に該当します。
ですから、「実践する」イコール「主義・理論の通りに実行する」ということと、「実行」の中に「実践」は含まれるものであるということが言えます。
「実行」の例文
・『練習で教わった通りのことを実行できるかが鍵だ』
・『彼はいつも口ばかり達者で、なかなか実行しない』
「実戦」【じっせん】とは?
「実戦」とは、訓練や練習ではない、実際の戦闘や試合のことを意味する言葉です。
「実践」や「実行」では、実際に行うことを意味していましたが、「実戦」は、実際の戦闘や試合そのものを意味する言葉になります。
ですから言葉を使う場合には名詞的に使うことになります。
「実戦」の例文
・『実戦形式の試合に臨む』
・『新兵器が実戦で投入されることになった』
「実践」と「実行」と「実戦」の違い
「実践」と「実行」と「実戦」の違いを簡単に説明すると次のようになります。
「実践」とは、「主義・理論の通りに実際の行動に移すこと」を意味した言葉です。
主義・理論から逸脱したことを行なえば「実践」とは言えません。
「実行」とは、「実際に行うこと」を意味した言葉です。
実際に行えば、主義・理論の通りかに関係なく「実行」したことになります。
実践する、実行するといったように動詞的な使い方をします。
「実戦」とは、「訓練や練習ではない実際の戦闘や試合そのもの」を意味した言葉です。
ですから名詞的な使い方をします。
まとめ
「実践」と「実行」と「実戦」について説明してきましたが違いがわかりましたでしょうか。
同じ文字を持つ言葉ですがはっきりとした違いがありました。
この記事の内容を皆さんの生活に生かしていただければ幸いです。