他人の気持ちを理解しようとすることは社会を生きてく上でとても大切なことです。
そして、他人を理解しようとする場面で使われる「共感」「同情」「同調」という言葉も大切なものです。
ところで、これらの言葉にはどういった違いがあるのでしょうか。
この記事では、「共感」と「同情」と「同調」の違いを分かりやすく説明していきます。
「共感」【きょうかん】とは?
「共感」とは、他人の体験や喜怒哀楽、また意見や主張に対してその通りであると気持ちを同じくすることを意味しています。
相手がした体験、相手の感情、相手の意見や主張に対して自分のことのように思い、気持ちを同じくするといった言葉になります。
他愛ないことから重要な事柄に対しても使える言葉です。
たとえば、お笑いの「あるあるネタ」も一種の「共感」になります。
「共感」の例文
・『他の従業員に対しいつも威圧的な態度を取ってくるあの社員の気持ちには、とても共感できない』
・『その国会議員の演説は、国民の共感を呼んだ』
「同情」【どうじょう】とは?
「同情」とは、他人の苦しみや不幸、悲しい気持ちを自分のことのように感じ、その人を思いやることを意味した言葉です。
先述の「共感」は、どちらかというと相手自身というよりは、相手が抱いた気持ちや感情に対して同じく思うことでしたが、「同情」では、相手自身を思いやることに重きを置いています。
そして一般的には、不幸や苦しみといったマイナスな境遇に置かれた相手を、かわいそうに思う気持ちを表す言葉になります。
「同情」の例文
・『台風の被害にあった人たちに同情する』
・『安易な同情は、かえって相手をみじめな思いにさせてしまう』
「同調」【どうちょう】とは?
「同調」とは、他人の主張や意見や行動に対して調子を合わせることを意味した言葉です。
先述の「共感」や「同情」が、相手の気持ちや境遇を自分のことのように感じいたわるといった言葉なのに対し、「同調」は、相手と調子を合わせるといった言葉です。
ですから、語弊がある言い方をすれば、たとえ本心は相手と同じでなくても、表面だけでも調子を合わせればそれは「同調」したことになります。
「同調」の例文
・『一卵性双生児である彼らは、よく行動が同調している』
・『人の意見に同調するばかりで自分の意見を持っていない』
「共感」と「同情」と「同調」の違い
「共感」と「同情」と「同調」の違いについて簡単に説明すると次のようになります。
「共感」とは、「他人の体験、感情、意見主張に対して気持ちを同じくすること」を意味した言葉です。
「同情」とは、「他人の苦しみや不幸に共感し相手を思いやること」を意味しています。
「同調」とは、「他人の意見主張や行動と調子を合わせること」を意味しています。
まとめ
「共感」と「同情」と「同調」について説明してきましたが違いがわかりましたでしょうか。
どれも相手のことを考えた言葉ですが、ただ闇雲に使えばいいというものでもありません。
この記事の内容を踏まえ、言葉を上手に使い分けて皆さんの生活に役立てて下さい。