「要求」と「要件」と「要望」の違いとは?分かりやすく解釈

「要求」と「要件」と「要望」の違い生活・教育

「要」という字にはもっとも大切な部分、かなめ、という意味の他に、もとめる、いりようである、という意味があります。

この記事ではそんな要という漢字が使われた言葉、「要求」「要件」「要望」の違いを分かりやすく説明していきます。

「要求」とは?

要求とは強く求めること、当然だという強い態度を示して相手に求めることです。

「勤務体制の改善を要求する」「不良品の交換、返金を要求する」など、ただ欲しがるのではなく強い意志を持ち当然の権利として相手に金品や物品、行動などを求める際に使われます。

要求には強い言葉で相手に強いるようなニュアンスがあるので、上司など目上の人に対しては使いにくい言葉です。

顧客側が売り手側やサービスに対して求める状況で使用するのが妥当でしょう。

また必要な経費などのお金を求める際には「請求する」という言葉がよく使われます。


「要望」とは?

要望とは物事などの実現を強く期待することです。

「市民から古くなった施設の改装を要望される」「お客様からのご要望に応える」など、要求と同じく相手になにかを求める際に使われますが、要望はその求める物事が叶うかどうかという点に関して期待や希望の段階である場合が多いので要求よりは柔らかい表現として使うことが出来ます。

あまり争いたくない相手や近しい相手、ビジネス相手などに何かを求める際は、こちらの「要望」を使用した方が無難かもしれません。

また「期間限定の商品の再販を求める要望の声が多い」などのように、こうしてほしいという期待の意味でも使われます。


「要件」とは?

要件とは大切な用事、話の中で大事な点、または必要な条件のことです。

「要件を掻い摘んで話す」「里親としての要件を満たしている」などのように使われます。

同じ読み方の言葉に「用件」というものがありますが、要件は大事な用事を意味し、用件はシンプルに用事を意味します。

「用件をお伺いします」などのように使います。

「要求」と「要望」と「要件」の違い

要求や要望の「要」は要の字が持つ「もとめる、いりようである」という意味の部分が使われた言葉であり、要件は「もっとも大切な部分、かなめ」という意味の部分が使われた言葉です。

「要求」は相手に対してかなり強い態度で物事を求める言葉なので、使用する際は相手や場面に応じて注意しましょう。

「要望」は要求よりも柔らかいニュアンスで相手に物事を求める言葉です。

要望は尊敬語としてビジネスシーンでも度々使われます。

自分から相手に求める場合だけではなく、相手からの意見などを求める際にも「なにかご要望はございますか?」などのように使うことが出来ます。

要求には尊敬語や丁寧語の意味はないので、「ご要求」などのようには言いません。

まとめ

いかがだったでしょうか。

同じひとつの漢字でもいくつかの意味を持つことがあり、使われ方によって言葉の意味も変わってきます。

「要」以外の漢字も、調べてみると新たな発見があって面白いかもしれません。