「避」という文字にはさける、にげるという意味があります。
そのため危険から逃げたり退くといった意味を持つ言葉によく使われています。
この記事ではそんな避という字を使った「避難」と「待避」と「退避」の違いを分かりやすく説明していきます。
「避難」とは?
避難とは災難や災害を避け、住んでいるところや今いる場所から安全な場所へと逃げることです。
避難を要する災害の例としては台風や地震、津波、洪水、山火事、噴火などが挙げられ、それらの被害により現在いる場所や住んでいる場所に留まることが危険だと判断された場合に避難は必要となります。
そういった場合に避難する場所や施設として国や自治体が定めているところを「避難所」といい、公園や学校、体育館、公民館などが指定されていることが多いです。
「待避」とは?
待避とは安全な場所などで危険が過ぎるのを待つことです。
「台風が過ぎ去るまで屋内で待避する」などのように、災害などが過ぎ去るまでその場で待つ、待機する場合に使います。
また電車が別の電車の通過待ちを行う際に別の線路で待つことも「待避」と言い、そういった場合に使われる線路のことを待避線といいます。
「退避」とは?
退避とは災害や危険を避けるためにその場から離れることです。
「津波から逃げるために高台の方まで退避する」「指揮官から退避命令が出る」などのように使います。
待避との違いは、待避はその場に留まり危険が過ぎるのを待つことを言うのに対し、退避はその場から立ち去ることで危険を回避します。
また避難と退避は「危険な場所から離れること」という意味では同じです。
ただ原子力防災においては、「退避」は建物や指定された場所に入り危険を避けること、「避難」は建物や指定された場所から離れ別の場所に移り危険を避けること、という風に定義されているようです。
「避難」と「待避」と「退避」の違い
みっつの言葉は全て危険を避ける、危険から逃げる場合に使用され、その避け方によって使い分けがされています。
「避難」は災害などが起こった際に被害を受けるとされる場所から離れ、安全な場所に逃げることを言います。
「待避」は危険や災害が過ぎ去るのをその場の安全なところに留まり待つ、待機する際に使われます。
「退避」は危険な場所から離れ安全な場所まで移動することです。
「避難」と「退避」の意味は似ていますが、「退避」は災害時などだけではなく、戦争などで前線で戦っている際にその場が危険だと判断され戦場から離脱するよう指示されるときにも「退避命令が出される」というように使われます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
危険を避ける、逃げるという同じ意味を持つ「避難」と「待避」と「退避」というみっつの言葉ですが、それぞれ使われ方が少しずつ違うということがおわかりいただけたかと思います。
似ているのでつい混同しがちですが、混同しないよう気を付けましょう。