「疲労」と「疲弊」と「倦怠」の違いとは?分かりやすく解釈

「疲労」と「疲弊」と「倦怠」の違いとは?生活・教育

精神的、肉体的に負担となる仕事を長くやっていると、疲労が現れるようになります。

場合によっては、頭痛や吐き気のような症状として現れることもあり、その時に必要なのは十分な休養です。

さて、ここで使用した「疲労」という言葉ですが、本当の意味はどんなものでしょうか。

さらに、同じような用途で使用される「疲弊」「倦怠」との違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、「疲労」「疲弊」「倦怠」の違いを分かりやすく説明していきます。

「疲労」とは?

「疲労」とは、「疲」「疲れること」「労」「体や心を使うこと」なので、合わせると、「体や心を使ったことで疲れること」となります。

「長時間の勤務で疲労が溜まっている」という形で使われます。

他には、「このポールは金属疲労によって切断されました」のように、人間以外の疲れに関しても使用されることがあります。

英語では、「tired」です。


「疲弊」とは?

「疲弊」とは、「疲」「疲れること」「弊」「ボロボロになる」という意味なので、合わせると「疲れてボロボロになる」ということになります。

ニュアンスとしては最大限に疲れている状態を表すことが多いと言えます。

例文としては、「極度の緊張によって心身共に疲弊しました」のように使用します。

人間以外に関しては、経済的な疲労に使われる場合もあります。

英語では、「exhausted」が近いでしょう。


「倦怠」とは?

「倦怠」とは、ほぼ「倦怠感」という熟語で使用されるように、「なんとなく疲れている」ことを表す言葉です。

「倦」「飽きる」ことで、「怠」「怠ける」ことなので、元々は「疲れによってなんだかやる気がしない」状態を示しています。

英語では、「fatigue」が近いでしょう。

「疲労」と「疲弊」と「倦怠」の違い

「疲労」「疲弊」「倦怠」の違いを、分かりやすく解説します。

これらの言葉は、「疲れている」ことを表すものであることは同じです。

しかし、それぞれの本来の意味を見てみると明らかな違いがあることがわかります。

一番大きな違いは、疲れているレベルです。

すなわち、「疲労」「ある程度の症状が現れている」時に使われ、「疲弊」「疲れて動けないような」時に使われることが多く、「倦怠」「なんとなく疲れている」という時に使われます。

これをレベルで表すと、最大が「疲弊」で、次が「疲労」、最も軽いのが「倦怠」ということになります。

また、使われるシチュエーションとして「疲労」「主に肉体の」「疲弊」「主に精神の」「倦怠」「何かわからない時の」疲れに対して使用されると言うこともできます。

まとめ

この記事では、「疲労」「疲弊」「倦怠」の違いを説明してきました。

私たちが、自覚症状として「倦怠感」「疲労」を感じるようになると、その段階では既に症状は進んでしまっていることもあります。

通常は、これらの症状は単に疲れているだけということで、あまり危険視されないので、見過ごされがちになり、気づいた時には取り返しのできないところまで進行しているということもあり得ます。

そのような意味では、肉体や精神が発するどのような信号も決して無視しないことが重要なのです。