「知能」と「知性」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「知能」と「知性」の違い生活・教育

この記事では、「知能」「知性」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「知能」と「知性」の違い

一見、同じ意味のように見える「知能」「知性」

特別な能力を意味する言葉として考えている人は多いのではないでしょうか。

確かに「能力」を意味する言葉ですが、その「能力」に明確な違いがある「知能」「知性」

「知能」の場合は、導き出すものには明白な答えがあります。

その明白な答えがあるものに対し答えを導き出すことができる能力、適切な答えを出すことができる能力となります。

一方、「知性」の場合は、導き出すものには明白な答えはありません。

そんな、明白な答えがないものに対し、答えとなるようなものを導き出す能力となります。

このように、「知能」「知性」には、導き出す答えに違いがあります。

また、「知能」は勉強が優れていることを意味し、「知性」は勉強で身につくものではなく、思考能力を指すものとなります。


「知能」と「知性」の使い方の違い

「知能」「知性」の使い方を比較した場合、「知性がある人」といった使い方は行いますが、「知能がある人」といった使い方はありません。

また、「知性が溢れる」といった使い方は行いますが、「知能が溢れる」といった使い方はなく、「知能が優れている」「知能が発達している」といった使い方となります。

また、「知能」は、人間以外のもの、動物やAIにも使用することができますが、「知性」は、人間しか使用することはできません。


「知能」と「知性」の英語表記の違い

「知能」の英語は、intelligence、【形式ばった表現】 intellect、【形式ばった表現】 intellectual [mental] facultiesです。

「知能の発達」は、intellectual growth 「知能の遅れ」は、mental retardation 「知能犯」は、an intellectual offense [crime]、〈人〉 a thinking [《口語》 smart] criminal. となります。

「知性」の英語は、intelligence、【形式ばった表現】 intellectです。

「知性的な」はintellectual. 「普通の[高い, 低い]知性の持ち主」は【形式ばった表現】 a man of average [high, low] intelligenceとなります。

「知能」の意味

「知能」は、はっきりした答えがある質問に対し、答えを導くことができる能力といった意味があります。

質問に対し明確に答える能力、判断する能力、素早く的確に答えることができる能力です。

「知能」の場合、答えが決まっていることが多く、その決まっている答えに対し決まった答えを出すこととなるため、そこには、知識が必要となります。

そのため、知識が必要な勉強において、勉強ができることを知能が高いといったように表します。

また、「知能」は、人間に対してだけではなく、動物や機械などにも使用することが可能です。

「知能」の使い方

「知能」は、高い、低い、といった使い方を行うことができるほか、「知能が優れている」「知能を発達させる」などといった使い方があります。

そのほか、「人工知能」「知能指数」「知能障害」「知能検査」「知能犯」「知能年齢」といった使い方もあります。

「知能」を使った例文

・『息子の知能の遅れがとても心配です。』
・『ドラマに出てくる犯人は、知能犯が多い。』
・『彼の知能が優れている点が好きになりました。』
・『知能を発達させるためには、どうすれば良いのでしょうか。』

「知能」の類語

理解する能力を意味する「知能」の類語には、才智、知力、知性、智力、インテリジェンス、智能などがあります。

そのほか、知的能力として、理知、智、知力、知性、理智、知、智力、頭脳も「知能」の類語になります。

「知能」の対義語

「知能」自体に対義語はありませんが、「知能犯」には、「強力犯」といった対義語があります。

「強力犯」とは、実力犯とも言われ、暴行・脅迫を手段とする犯罪を意味しています。

「知性」の意味

「知性」は、はっきりした答えがない質問に対し、その答えを導き出す能力といった意味があります。

はっきりした答えがないものに対し、答えを導き出すため、感覚やものごとの判断力、答えを考え出す能力とも言えます。

「知性」には、知識が必要です。

豊富な知識によってはじめて、「知性」を発揮させることができ、様々な考え、能力を発揮させることができるようになります。

ただし、「知性」は人間に対してのみ使用することができる言葉となります。

「知性」の使い方

人間に対してのみ使用することができる「知性」

「知性豊かな人」「知性溢れる人」「知性に富んだ人」など人を褒める言葉として使用されることが多くなります。

それ以外にも、「知性を磨く」「知性を感じる」などといった使い方があります。

「知性」を使った例文

・『知性豊かというだけで、その人の人間性が見えてくるような気がします。』
・『魅力的な人になるため、様々な方面の知性を磨いています。』
・『彼女は、知性がにじみ出るほど、素晴らしい女性です。』
・『知性がある人と知識がある人はイコールで結ぶことができます。』

「知性」の類語

理解する能力の「知性」の類語には、才智、知能、知力、智力、インテリジェンス、智能、才知などがあります。

また、合理的な思考といった意味として、理知、悟性、智、知力、理智なども「知性」の類語となります。

「知性」の対義語

「知性」の対義語は、「感性」です。

「感性」には、外からの刺激を受け止める感覚的能力といった意味があります。

まとめ

以上のような違いがある、「知能」「知性」

「知能」の場合には、勉強や知識というものも必要になりますが、「知性」には、これらは必要ありません。

大きく言えば、「知能」が高い人は、学校で勉強ができ優位に立つことができるかと思われますが、必ずしも社会に出て成功するとは限りません。

その一方で、「知性」が高い場合は、例え、学校で勉強ができなくても、社会に出てから成功する可能性があると言えるのです。