この記事では、「近隣」と「近郊」と「近辺」の違いを分かりやすく説明していきます。
「近隣」とは?
隣り合った近い距離という意味で、家を軸に考えることが多い言葉です。
辞書によっては近辺、近所を意味として掲載しているケースもある言葉です。
少なくとも両隣の家、向かいの家あたりは近隣と言え、人によってはもう少し範囲が広がることもあり得るでしょう。
マンション単位になると上の階、下の階を隣に含むかは厳密ではなく、同じマンションという共同体という概念自体はあります。
電車の車両において3号車の近隣を2号車と4号車というようなケースはありません。
近隣施設という言葉ではかなり範囲が広く使われている場合があり、公園などであれば駅単位で離れている施設も近隣施設として紹介していることもあります。
店が閉店する際の同一チェーン店の近隣店舗の案内も距離的は非常に離れているケースがありますが、飲食とコンビニ以外のチェーン店は100m単位に密集するケースはないため致し方無いとも言えます。
「近郊」とは?
都市および都市生活者の居住地域周辺という意味合いで、都市の住居の数、規模などである程度の判断が可能となっており、少なくとも集落は存在する必要があります。
近所や近隣と違い、口語で使うことはかなり少なく、近郊のスーパーに行くなどとはあまり言いません。
交通の面ではある程度すぐれており、主要都市まで一本の電車で行ける範囲であるケースが多く、バス網もそれなりに発達していることはあります。
かつては近郊型車両という鉄道車両の区分もあり、乗車時間がやや長くなることから一部をボックスシートにして居住性を考慮したものとなっていました。
東京から熱海までの東海道本線がかつての代表例です。
「近辺」とは
近い辺り、基準となるところから距離の隔たりが少ない所という意味の言葉で、学校の近辺という場合では学校の周囲半径300mあたりが含まれると言えます。
厳密な基準はなく、閑散とした地域ではもっと半径が広くなるケースはあり、都市では狭くなることはありますが、学校近辺という言葉で学校を軸に学校の最寄り道路のみという狭い範囲を示すことは少ないです。
また、近いという意味合いがあるため、厳密な使い方ではありませんが10日近辺に出かける予定などという使い方も可能ではあります。
「近隣」と「近郊」と「近辺」の違い
近隣と近辺は意味が近く、家や施設と隣り合っているという範囲が含まれるのが近隣、それより広い範囲であることがあるのが近辺と言えます。
ただし近隣は隣という意味合いを抽出した使い方もあり、チェーン店の近隣店舗という場合、隣の県にあることもありえます。
近郊は定義が異なり、都市および都市生活者の居住地域周辺という意味で、近郊の中に近隣という概念も近辺という概念もありえ、近郊都市の近隣都市ということもできます。
まとめ
近隣は最も近い隣であると言う意味合い、近辺は基準から距離の近い場所という意味合いで、隣り合っている必要はありませんが近隣と意味が重なることがあります。
近郊は都市および都市生活者の居住地域周辺という意味で、都市の区分として使われます。