衛生管理への意識が強まり、空気中の微生物や病原菌を気にかけることが増えた方も多いでしょう。
しかし空気中の微生物や病原菌にもいくつかの分類がありますが、何がどう違うのか、説明できる人は多くありません。
この記事では、「真菌」と「細菌」と「ウイルス」の違いを分かりやすく説明していきます。
「真菌」とは?
「真菌」とは菌糸を伸ばし出芽や分裂によって繁殖する、菌類の一種です。
パンやビールの酵母、キノコ、そしてカビが「真菌」にあたります。
病気の元となる「真菌」には水虫の原因となる白癬菌、カンジダ症の原因となるカンジダなどがいます。
「真菌」は病原菌としては大きく、基本的には細胞内に入り込みません。
「真菌」による病気は、皮膚に付着した「真菌」が免疫力の低下などの理由により皮膚で繁殖して発生する、いわゆる皮膚病の形を取ることが多いです。
「細菌」とは?
「細菌」とは空気中や動物の体内などあらゆる所に存在する、単細胞生物です。
また人などの細胞には細胞核と呼ばれるDNAやRNAなどの遺伝情報が含まれる器官がありますが、「細菌」には細胞核がありません。
病気としては人体の表面である皮膚や、呼吸などで体内に入り定着し、自己増殖で細胞へと侵入していったり毒素を出し、その結果病気にかかります。
病院などで出される抗生物質は、この「細菌」の繁殖を抑え、「細菌」に直接作用する効果を持った薬です。
「ウイルス」とは?
「ウイルス」とは他生物の細胞を利用して繁殖する、極めて小さい病原体です。
「細菌」も顕微鏡を使わないと到底見えませんが、それよりも圧倒的に小さく、比較すると「細菌」は「ウイルス」の10倍から100倍もの大きさになります。
「ウイルス」は人の細胞に入り込んで繁殖するため、治療薬を作るのが非常に難しいのが特徴です。
そのため対策が必要な「ウイルス」は、ワクチンで人体の免疫機能にその「ウイルス」への対処法を覚えさせ予防することが主な対策になっています。
「真菌」と「細菌」と「ウイルス」の違い
「真菌」はカビの仲間で皮膚のような人体の表面や、肺のような呼吸で空気に触れる部分で繁殖し、その部分で病気にしてくる生物です。
「細菌」は単細胞生物で、皮膚で繁殖し皮膚病になるものも、体内に入り込んで病気にするものもあります。
「ウイルス」は非常に小さく、生物かどうかも意見が分かれる病原体です。
単体で繁殖できないので細胞へと潜り込んで繁殖するため、薬による対策が非常に難しく、治療薬も予防するためのワクチンも開発は芳しくありません。
まとめ
「真菌」はカビの仲間で空気に触れる場所を清潔にすればある程度対策でき、「細菌」は抗生物質がよく効きます。
しかし「ウイルス」は小ささから取り込まないようにするのも難しく、薬での対処も難しいと厄介な病原体です。
どう対策するべきかや治すべきかは、聞きかじりの情報ではなく、詳しい医師を頼るべきでしょう。