この記事では、「満足」と「満喫」と「堪能」の違いを分かりやすく説明していきます。
「満足」とは?
「満足」【まんぞく】とは、望んでいたものが十分に得られ心が満たされることです。
使われている漢字の意味を見てみると、「満」はいっぱいになる、行き渡ることを表し、「足」はものが十分にある様子を表しています。
これらの漢字を組み合わせた「満足」は、ものが十分に行き渡っているため、もの足りないと感じることがない様子を指しています。
「満足」は「満ち足りる」と書き表せるように、ものが行き渡って十分に足りる様子を表す言葉です。
主に、望んでいたものが不足なく手に入り精神的に満たされている様子を指すときに使われます。
「満足」の例文
・『お客様に満足してもらえるサービスを心がける』
・『おかずがたったこれだけじゃ、満足できないよ』
「満喫」とは?
「満喫」【まんきつ】とは、心ゆくまで飲食すること、存分に楽しむことです。
漢字の「満」はみちたりること、「喫」は口からものを取り込む行為(飲食すること、吸うこと)を意味し、これらを組み合わせた「満喫」は十分に飲んだり食べたりすることを表しています。
漢字の「喫」が飲食することを指すように、「満喫」は「満ち足りるまで飲食を楽しむ」という意味で使われてます。
また娯楽や自分のしたいことを楽しむ場合にも使われ、食事や娯楽などを楽しんだため気持ちが充分に満たされる様子を指すときにも使われています。
「満喫」の例文
・『秋の味覚と美味しいお酒を満喫した』
・『学生最後の夏休みを満喫する』
「堪能」とは
「堪能」【たんのう】とは、十分すぎるほどに味わったり楽しんだりして気持ちが満たされることです。
「堪能」は「足んぬ」【たんぬ】という言葉が変化したものといわれます。
「足んぬ」はこと足りて気が済むという意味です。
仏教の教えの中では、ある道において優れていることを「堪能」【かんのう】と呼んでいましたが、この「たんぬ」と「堪能」が混同したため、十分に味わって気が済むことが「堪能」と呼ばれるようになりました。
ただし仏教用語の「堪能」の正しい読み方は「かんのう」であるため、ある道において優れていることを指す「堪能」は「かんのう」と読み、十分に味わって気が済む「堪能」は「たんのう」と読み分けられています。
・「堪能」の例文
・『とれたての新鮮な魚介を堪能した』
・『旅先で温泉と美しい景色を堪能した』
「満足」と「満喫」と「堪能」の違い
「満足」「満喫」「堪能」は、いずれも望んでいたものが手に入って気持ちが満たされている様子を表す言葉ですが、ニュアンスが少し異なります。
「満足」は、望んでいたものが不足なく得られ心が満たされることです。
「堪能」と「満喫」はほぼ同じ意味合いを持ち、心ゆくまで食事をしたり楽しんだりして十分に心が満たされることを指します。
「満足」は「これだけあれば申し分ない」と心が満たされる状態、「堪能」「満喫」は十分すぎるほどに楽しんで心の底から「満足」している状態です。
いずれも「満足」している状況ですが「堪能」「満喫」のほうがより満たされている気持ちが高い状態といえます。
「堪能」と「満喫」は言葉の成り立ちが異なります。
「堪能」は気が済むことを意味する「足んぬ」が転じたもの、「満喫」は飲食を楽しむことを指しています。
まとめ
「満足」「満喫」「堪能」はほぼ同じような意味を持ちますが、ニュアンスが少しずつ異なります。
場面や状況に合わせて細かく使い分けると、より臨場感のある文章になるでしょう。