「容体」・「容態」・「様体」
いずれも同じような言葉に感じますが、違いや使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「容体」と「容態」と「様体」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「容体」と「容態」と「様体」の違い
「容体」・「容態」・「様体」はいずれも表記が違うだけで、同じく「ようだい/ようたい」と読み、同じ意味を持つ言葉です。
意味としては以下、
・人のかたちや様子
・病気の具合や病状
・物事の有り様や状況
・もったいぶることや気取ること
があります。
「容」という字には、「いれる」や「おさめる」という意味ほかに、「すがた」、「かたち」、「様子」などの意味も含まれています。
「態」という字にも、「心構え」や「身構え」のほかに、「容」と同じく「すがた」、「かたち」、「様子」などの意味が含まれています。
「様」という字も、「さま」や「ありさま」のほか、「かたち」など「容」や「態」と同じような意味合いがあります。
「容体」も「容態」も「様体」も、同じような意味を持つ漢字を繰り返すことで、意味をより強調した言葉と言えます。
「容体」と「容態」
もともとは「容体」が使われていましたが、病気の症状など「状態」を指すようになってから「容態」の表記も使われるようになったそうです。
放送や新聞など報道上で用いる場合の表記は「容体」で統一されています。
1959年に開かれた国語審議会において、「容体」と「容態」のように表記が違うだけの同義語について議論が交わされました。
その際、字画が少ないなどの理由から「容体」に表記が整理され、それに従って、マスコミでも「容体」表記を用いるようになったようです。
読み方についても、「ようたい」よりも「ようだい」のほうが伝統的であるとして、後者が用いられています。
「容体」・「容態」・「様体」を使った例文
・『学生のときぶりに再会した友人は富豪のような容体だった』
・『深夜にかけて、それまで安定していた患者の容態が急変した』
・『社会人として、世の中の様体をしっかり把握しているかどうかが問われる』
「容体」・「容態」・「様体」と「様態」の違い
「容体」・「容態」・「様体」と似た言葉に「様態」があります。
「様態」は「物のありかた」や「行為の有り様」を意味する言葉です。
また、文法においては、「そのような様子が見られるということ」を表す言い方にもなります。
さらに、哲学においては、哲学者のデカルトとスピノザ以来、「事物の本質にかかわる属性と区別された、事物の偶然的な属性や状態」を指して用いられます。
「容体」・「容態」・「様体」は人やモノなど様々な対象に使われますが、「様態」はモノを対象に使われることが多いようです。
また、読み方も「ようだい」ではなく「ようたい」とだけ読みます。
まとめ
「容体」・「容態」・「様体」はいずれも「ようだい/ようたい」と読み、同じ意味を持つ言葉です。
使い分けなどはありませんが、マスコミでは「容体」表記が用いられ、読み方も「ようだい」で統一されています。