この記事では、「お墨付き」と「折り紙付き」の違いを分かりやすく説明していきます。
「お墨付き」と「折り紙付き」の違い
「お墨付き」と「折り紙付き」の違いについて紹介します。
「お墨付き」と「折り紙付き」の使い方の違い
「お墨付き」は、「地位や権威のある人が認めること」に使われます。
上の立場の人が、下の立場の人に対してそうであると判断することを表す言葉です。
「折り紙付き」は、「他人が認めること」に使われます。
地位や権威に関係なく、他の人がそうであると判断することを表す言葉です
「お墨付き」と「折り紙付き」の英語表記の違い
「お墨付き」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「endorsement」で「承認」「保証」という意味です。
“His idea has a big endorsement by company.”
(彼の提案は会社のお墨付きだ)
2つ目は「seal/stamp of approval」で「承認の印章がある」というニュアンスです。
“Her ability has a stamp of approval by her boss.”
(彼女の能力は上司のお墨付きだ)
「折り紙付き」の英語表現は以下の2つです。
1つ目は「certified」で「証明済み」という意味です。
“This is a certified article.”
(これは折り紙つきの商品です)
2つ目は「universally acknowledged」で「一般的に認められた」という意味です。
“He is universally acknowledged to be a top sales.”
(彼はトップセールスとして折り紙付きだ)
「お墨付き」の意味
「お墨付き」は「おすみつき」と読みます。
意味は「権威や地位のある人からもらった保証のこと」です。
上の立場の人が、下の立場の人に対して「品質を認めますよ」と言うことです。
由来は、室町時代に手柄を立てた人に褒美として土地などを与える時に、「この土地は確かに幕府から褒美として与えられたものである」という証明書を作成して、「花押(かおう)」という墨の印を付けたことによります。
「花押」は、草書体が崩れて記号の様になったもののことで、花の他に鳥のデザインなどもあります。
「お墨付き」の使い方
「お墨付き」は、「上の立場の人からもらった保証」に使われます。
「お墨付きだ・である」と名詞・形容動詞として使われたり、「お墨付きを貰う」などと動詞を伴って使われます。
元は人に対して使う言葉でしたが、最近は物に対しても使われる様になっています。
「お墨付き」は、上の立場から下の立場の人に対して使う言葉であり、目上の人に対して使うと失礼に当たるので注意しましょう。
「お墨付き」を使った例文
・『彼の手腕は部長のお墨付きだ』
・『彼女の英語力はネイティブスピーカーのお墨付きだ』
・『コーチからプロでも十分通用するとお墨付きを貰った』
・『この絵画は1億円以上の値打ちがあると専門家のお墨付きだ』
・『無事に卒業できると教授からお墨付きを貰った』
「お墨付き」の類語
「認定(にんてい)」
「ものごとの価値や事実、質などを判断して決めること」という意味です。
「太鼓判(たいこばん)」
「太鼓のように大きな印判」、転じて「確かであるという保証のこと」という意味です。
「お墨付き」の対義語
「未承認(みしょうにん)」
「まだ許可を得ていないもののこと」という意味です。
「折り紙付き」の意味
「折り紙付き」は「おりがみつき」と読みます。
意味は「間違いないと保証すること」です。
確かであり、信頼するに十分であると証明することを言います。
「折り紙つき」の由来は、平安時代頃に、品物を贈るときには「この品物の品質は確かである」と証明する為に、「製作者、産地」などの目録を添えたことからきています。
その目録を書き記した紙は折って添付されたので、「折り紙」と使われる様になりました。
ここから次第に骨董品や美術品などを鑑定する時に保証書の意味で使われる様になり、現在の意味になったのです。
「折り紙付き」の使い方
「折り紙付き」は、「確かであると保証すること」に使われます。
本来は物に対して使われる言葉でしたが、現在では人の技術や能力が確かであるという意味で使われることもあります。
「お墨付き」との違いは、使う側、使われる側の上下関係は問わないという点です。
「折り紙付き」を使った例文
・『彼の真面目さは折り紙付きだ』
・『彼女は出身大学からして頭の良さは折り紙付きだ』
・『彼女の料理上手は母親からの折り紙付だ』
・『有名人の折り紙つきのレストランだ』
・『彼のプレゼンは素晴らしいと折り紙付きだ』
「折り紙付き」の類語
「知る人ぞ知る(しるひとぞしる)」
「広く知られてはいないが、一部の人には非常によく知られている」という意味です。
「極め付け(きわめつけ)」
「世間一般から高い評価を受けている」という意味です。
「折り紙付き」の対義語
「札付き(ふだつき)」
「悪い評判が定着していること」という意味です。
まとめ
今回は「お墨付き」と「折り紙付き」について紹介しました。
「お墨付き」は「上の立場の人から認められること」、「折り紙付き」は「ほかの人から認められること」と覚えておきましょう。