この記事では、「おののく」と「わななく」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「おののく」と「わななく」の違い
「おののく」と「わななく」の違いは、恐怖だけか、それ以外の要素も加わるのかという違いが大きなものとなります。
「おののく」には、恐怖で体が震えあがるといった意味があり、「わななく」の場合は、「おののく」と同じ恐怖で体が震えあがるといったことに加え、寒さ、怒りといった体感や感情でも体が震えるといった意味を持ちます。
この、寒さや怒りなどで体が震えあがるといったことが付け加えられるのが「わななく」で、その点が「おののく」と「わななく」の大きな違いとなります。
「おののく」と「わななく」の使い方の違い
どちらも恐怖で体が震える、震え上がるといった意味を持つ、「おののく」と「わななく」。
そのため、同じように使用することも可能ですが、「おののく」の場合、恐怖で体が震えるといった時しか使用することはできません。
一方、「わななく」の場合は、恐怖で体が震える、震え上がる以外にも、寒さ、怒り、興奮など幅広く使用することが可能です。
「おののく」の例えとしては、「恐怖におののく」や「不安におののく」というような使い方に限定される一方、「わななく」は、「寒さでわななく」や「喜びにわななく」など様々な状況で用いることができるようになっています。
「おののく」と「わななく」の英語表記の違い
「おののく」の英語表記は、shiver withです。
「恐れおののく」は、to tremble for fear―to be in fear and trembling/of a condition of a person, to tremble with fearとなります。
「わななく」の英語表記は、「おののく」と同じくshiver withで表します。
「おののく」の意味
「おののく」の意味には、恐怖で体や手足が震えることといった意味があります。
漢字で書いた場合、「おののく」は、「戦く」「慄く」です。
「戦く」の場合、戦う、戦争といった意味が強くなりますが、この「戦く」には、昔、身震いするといった意味も持っていました。
何かに驚いた際や恐怖に感じた際、体が震え上がるような事態が起きた際に使用することができる「おののく」となります。
「おののく」の使い方
「おののく」の使い方には、「恐れおののく」、「恐怖におののく」、「不安におののく」、「震えおののく」など何かに驚いた際や恐怖で体が震えた際などの使用することができます。
「おののく」を使った例文
・『自分が起こした重大な過ちに震えおののく』
・『近所で残酷な事件が発生し住民がおののいている』
・『失敗するかもしれないと恐れおののいている場合ではない』
・『恐怖と不安でおののく』
・『ホラー映画を見て恐怖におののく』
「おののく」の類語
「おののく」の類語として、恐ろしい気持ちを抱く「慄く」の類義語には、恐怖する、縮みあがる、畏縮する、恐ろしくなる、恐怖感を覚える、背筋が寒くなる、恐れをなす、戦慄を感じるなどがあります。
また、恐ろしさに震える、寒気を感じるなどといったことを意味する「戦く」の類語には、戦慄する、肌が粟立つ、ビビる、震え上がる、怯える、恐怖に包まれる、恐怖に支配される、慄然とする、身の毛がよだつ、縮み上がる、ビクビクするなどがあります。
「おののく」の対義語
「おののく」の対義語は明確なものはありません。
「わななく」の意味
「わななく」の意味は、恐怖に加え、寒さや怒り、興奮などで体が震えることとなります。
漢字では、「わななく」は「戦慄く」となります。
「おののく」に比べ、使用されることが少なく馴染みのない言葉となりますが、実際には、「おののく」に比べ使用可能範囲が非常に広くなっています。
「わななく」の使い方
「わななく」の使い方は、「恐怖にわななく」をはじめ、「喜びにわななく」、「怒りにわななく」などがあります。
「わななく」の場合は、恐怖だけでなく、様々な状態で体が震えあがる際にも用いことができ、使い方の幅も広がります。
「わななく」を使った例文
・『生徒全員のわなないている手を見て緊張が伝わってくる』
・『外に出ると非常に寒く手がわなないた』
・『風邪で熱が上がり全身がわななく』
・『態度があまりにも悪く怒りのあまりわなないた』
・『心霊写真を見て恐怖のあまりわななく』
「わななく」の類語
「わななく」の類語には、びくびくする、震い戦く、身震、ぴくぴく、ガタガタ、戦慄、震わす、身振、寒気だつ、寒気立つ、ぶるぶるする、ぞくぞくなどがあります。
「わななく」の対義語
「わななく」の対義語は、明確なものはありません。
まとめ
以上が「おののく」と「わななく」の違いとなります。
「おののく」に比べ、あまり用いられることのない「わななく」ですが、実は「わななく」の方が幅広く用いることができるのです。
そのため、恐怖以外で体が震えるといった表現を用いる場合は、「わななく」を使用すると覚えておくと安心です。