この記事では、「歴史」と「文化」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「歴史」と「文化」の違い
「歴史」とは、人間社会の時とともに移り変わるさま、発展のさまの経過、またその記録のことです。
また、ある物事の進展・変化してきた過程の意味もあります。
「文化」とは、人間生活全体のことで、有形・無形を問わず、人類が作りあげてきた成果の総体を意味します。
特に哲学・芸術・学問・宗教などの精神活動や、それによって生み出されたものを指す場合もあります。
「歴史」は時間の経過です。
人間社会では、時間の経過とともにさまざまな出来事がありました。
それらの経過や記録のことを「歴史」といいます。
「文化」は時間の経過のことではなく、人間が作りあげてきたものや精神活動のことです。
紀元2世紀から3世紀はじめころに初期キリスト教美術が誕生、5世紀から15世紀に東ローマ帝国でビザンティン美術が発展、10世紀末から12世紀にかけて西ヨーロッパにロマネスク美術が広がるなど、こういった時間とともに移り変わるさまが「歴史」です。
初期キリスト教美術やビザンティン美術など、それぞれを指したものが「文化」です。
「歴史」と「文化」の使い方の違い
「歴史」は、時間とともに移り変わるさまを記録したものに使用をします。
国の変化など大きなものだけでなく、個人やある物事の時間とともに移り変わるさまやその記録も「歴史」といえます。
「文化」は人間が作りあげてきたものに対して使用をします。
特に哲学・芸術・学問・宗教などの精神活動や、それによって生み出されたものに対して使われることが多いです。
「歴史」と「文化」の英語表記の違い
「歴史」は英語で“history”と表記をします。
「文化」は英語で“culture”と表記をします。
「歴史」の意味
「歴史」とは、人間が経てきた時間とともに移り変わるさまや発展の経過のこと、その記録のことです。
また、ある物事の進展・変化してきた経過のことです。
日本は、旧石器時代、新石器時代、縄文時代などを経て現在に至っています。
旧石器時代と新石器時代では、生活の様子などは違い、時間とともに変化をしています。
このような経過のことやその記録のことが「歴史」です。
ある物事の進展・変化の経過とは、たとえばチョコレートというお菓子は現在は甘く滑らかなものが一般的ですが、このような状態になるまでには、ココアが開発される、カカオバターにココアバターを混ぜて板チョコが作られるようになる、粉ミルクが開発されてチョコレートに粉ミルクを加えてミルクチョコレートが誕生する、コンチングマシンが開発されて滑らかになるといった、進展・変化がありました。
このような物事の進展・変化が「歴史」です。
「歴史」の使い方
人間社会やある物事が経てきた、変遷や発展のことを指して使います。
時間とともに移り変わってきたものなので、昨日、今日のことを指して「歴史」ということはありません。
社会のことだけでなく、個人のことやある物事についても使うことができます。
「歴史」を使った例文
・『歴史を感じらせる建物』
・『日本の歴史を学ぶ』
・『歴史のある大学に入学する』
・『菓子の歴史を調べる』
・『歴史とともに生活は変化してきた』
「歴史」の類語
「青史」が類語です。
「青史」は「歴史」と同じ意味で、紙がなかった時代に青竹をあぶって文字を記したことからこのように言われています。
「歴史」の対義語
対義語はありません。
「文化」の意味
「文化」とは、人間生活様式の全体のことです。
人類がこれまで作りあげてきた、有形・無形の成果のことを指しています。
特に哲学・芸術・学問・宗教などの精神活動や、それによって生み出されたものを指す場合があります。
「文化」は地域や民族に固有のものがあり、相互の交流によって発展してきました。
日本には、歌舞伎、着物、神道など、さまざまな「文化」があり、現在も受け継がれています。
「文化」の使い方
人間がこれまで作りあげてきたものの中でも、特に哲学・芸術・学問・宗教などについて使われています。
「文化」を使った例文
・『世界の文化を学ぶ』
・『日本の文化と海外の文化を比較する』
・『日本の文化を伝えていく』
・『文化遺産を調べる』
・『海外の文化を取り入れる』
「文化」の類語
「文明」が類語です。
人間の知恵が進み、技術が発展をして、人間の生活が便利になった状態の意味があります。
「文化」の対義語
「未開」が対義語です。
「文化」や文明がまだ十分に発展していないという意味があります。
「自然」も対義語です。
「自然」には、人間が手を加えていない本来の状態という意味があります。
まとめ
「歴史」は人間社会や物事の移り変わりや発展の経過のことです。
「文化」とは、人間が作り上げてきたものの総体です。
人間社会が移り変わる中で、さまざまな「文化」が生まれてきました。