この記事では、「無駄」と「勿体無い」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「無駄」と「勿体無い」の違い
「無駄」とは、役に立たないこと、価値が失われることです。
「勿体無い」には、3つの意味があります。
1つめは、恐れ多いことです。
2つめは、まだ使えるのに、捨ててしまったり、使わずにそのままにしたりすることを惜しく思う気持ちです。
3つめは、不都合であることです。
「勿体無い」にある、まだ使えるのに捨てたり、そのままにしたりしておくことを惜しく思う気持ちには、そのものがまだ使える、価値があるという意味が含まれています。
つまり、まだ役に立つ可能性があるのです。
「無駄」は役に立たないこと、価値がないことで、「勿体無い」とは意味が違います。
「無駄」と「勿体無い」の使い方の違い
役に立たないこと、それをしただけのかいがないことに対して「無駄」という言葉を使用します。
「時間を無駄に過ごす」というと、同じ時間でいろいろなことができたのにそれをしなかった、またはその時間に行ったことはしただけの価値がないという意味になります。
「時間が勿体無い」というと、時間を惜しむ気持ちがあります。
時間を大切に思い、時間を大切に使おうという気持ちが含まれています。
また、「勿体無い」は身に過ぎて恐れ多いという意味でも使われますが、「無駄」はこの意味で使われることはありません。
「無駄」と「勿体無い」の英語表記の違い
「無駄」は英語で、価値がないという意味では“useless”や“no use”と表記をし、浪費という意味では“waste”や“wastefulness”と表記をします。
「勿体無い」は英語で、惜しいという意味で“wasteful”と表記をします。
「無駄」の意味
「無駄」とは、役に立たないこと、それをしただけのかいがないこと、価値が失われることです。
「無駄なおしゃべり」というと、そのおしゃべりには価値がない、役に立たないという意味になります。
話すことでも、商談などは事業を成功させるために必要なことであり、役に立たない話しではありません。
しかし、芸能人が不倫をしたなどの話しをしても、それが日常生活で何か役に立つことはほとんどなく、その話しをしただけのかいはありません。
このように、「話す」という行為でも役に立つことと役に立たないことがあります。
役に立たないことを指して「無駄」といいます。
「無駄」の使い方
役に立たないと思われることに使用をします。
役に立つ、役に立たないは、人によって基準が違います。
子どもを持つ多くの親にとって、テレビゲームやスマホゲームは役に立たないものでしょう。
ゲームをする時間があれば、勉強をして欲しいところです。
親にとっては役に立たないこと、つまり「無駄」なことですが、子どもにとっては楽しい時間を過ごすものであり、友達とコミュニケーションをする道具でもあり、役に立たないものではありません。
このように、役に立つ、立たないの基準は人によって違い、「無駄」だと思われるものも人によって違います。
そのため、「無駄」という言葉は、幅広く使用されています。
「無駄」を使った例文
・『時間を無駄にしてしまった』
・『無駄なおしゃべりはやめなさい』
・『植えたばかりの畑の苗が台風で無駄になる』
・『食べものを無駄なく使用する』
・『犬が無駄に吠える』
「無駄」の類語
「台無し」が類語です。
役に立たなくなることの意味があります。
「無駄」の対義語
「有用」が対義語です。
役に立つという意味があります。
「勿体無い」の意味
「勿体無い」には、3つの意味があります。
1つめは、身に過ぎて恐れ多いことです。
「恐れ多い」とは、貴人や尊敬する人などを粗末にするのは申し訳ない、失礼になるので申し訳ないという意味があります。
2つめは、まだ役に立つものなのに、そのままにして使わなかったり、捨ててしまったりすることを惜しく思う気持ちです。
3つめは、不都合であることです。
「勿体無い」の使い方
身に過ぎて恐れ多いという意味では、「私には勿体無いお言葉です」のような使い方をします。
言葉をくれた人は、自分よりも身分が高い人や尊敬する人です。
まだ役に立つものをそのままにして惜しく思う気持ちでは、「食べものを捨てるなんて勿体無い」のような使い方をします。
この場合、その食べものはまだ食べられる意味が含まれています。
不都合であるという意味で使われることは、現代では少ないです。
「勿体無い」を使った例文
・『勿体無いと言って紙袋を集める』
・『水を出しっぱなしにするなんて勿体無い』
・『勿体無いと言って大切に扱う』
・『勿体無くて捨てられない』
・『まだ使えるのに捨てるなんて勿体無い』
「勿体無い」の類語
「惜しい」が類語です。
無駄にすることがまんできないという意味があります。
「勿体無い」の対義語
「無駄」が対義語です。
「無駄」は役に立たないこと、「勿体無い」はまだ役に立つものなのにそのままにしたりすることです。
まとめ
「無駄」は役に立たないことに使用し、「勿体無い」はまだ役に立つものに使用し、2つの言葉が持つ意味は違います。