普段の生活の中で何気なく使っている言葉の中で、どのような違いがあるのかをじっくりと考える機会は意外に少ないものです。
例えば「人々」と「方々」と「人達」。
これらの言葉も日常生活の中で時々使われるものですが、どのような解釈になるかご存知でしょうか?
そこでこの記事では、「人々」と「方々」と「人達」の違いを分かりやすく説明していきます。
「人々」とは?
「ひとびと」と読む「人々」には「各人の」という意味があり、「ひと」を重ねた複数の表現語です。
「多くの人たち」という解釈ですが、元々「ひと」という言葉は一般的に人間を指していることから、身分の高い者を指すものではなく、昔話の中で「ひとびと」という時は、従者など召使いを意味していることが多かったのです。
「人々」の例文
「人々」の例文を見ると次のようなものがあります。
・『人々が騒いでいる』
・『感動している人々』
「方々」とは?
「方々」は「かたがた」や「ほうぼう」という読み方になります。
「かたがた」の場合は「人々のこと」を指しており、「ほうぼう」になると「複数の事柄が併存しており、あちらこちら」という意味で解釈されています。
「方々」の例文
「方々」の例文は次のようなものが挙げられます。
・『多くの方々に参加頂いた』
・『ご来場の方々に申し上げます』
「人達」とは
「人達」は「ひとたち」という読み方をしますが、「人々」を意味していますが、 「人」の丁寧語いう意味合いがある言葉です。
「人達」の例文
「人達」の例文を見ると、以下のようなケースの文章が考えられます。
・『悩める人達』
・『困った人たちね』
「人々」と「方々」と「人達」の違い
ここで「人々」と「方々」と「人達」の違いを見て行きましょう。
まず「人々」と「方々」の相違点を見ると、「各人」を意味する「人々」を丁寧に表す敬語表現として「方々」が使われています。
「方々」は「人々」を尊敬の意で表現した二人称の言葉なのです。
「人々」と「人達」の違いをみると、「人々」は意味は 「人」を重ねた「多くの人」と数の多さを強調する言葉であると同時に「一般の人」と人を総称する言葉でもあります。
一方の「人達」の意味は前述の通り「人間」「1人」「個人」の単数である「人」に複数を表す「達」が付いた言葉ですが、数量の多さの意味合いは含まれていません。
その結果、「人達」は特定の関係の人や個人に特性が見られる時に使われる表現であり、「人々」は、不特定多数で数が多いことを強調する時に使われる表現なのです。
まとめ
「人々」と「方々」と「人達」の違いを説明してきました。
「人々」「方々」「人達」はよく使われている言葉だけに解釈の相違や使うシチュエーションをよく理解しておく必要があるでしょう。
あまり意識していない言葉だけに、思わず変な使い方になってしまう可能性があるかもしれません。
正しく理解して間違いのないようにしておきましょう。