「明白」と「明確」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「明白」と「明確」の違い生活・教育

この記事では、「明白」「明確」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

明白と明確の違い

「明白」とは、誰が見ても疑う余地がないほど、はっきりとわかりやすいことです。

「明確」とは、紛らわしいものとの区別がはっきりしていて、間違いがないことです。

誰が見ても疑う余地がないと、はっきりしていて間違いがない、という意味は似ています。

しかし、「明確」「区別」という意味が含まれているのに対し、「明白」にはその意味が含まれていない点が違います。

犯行現場に証拠となるものが落ちていました。

この証拠があることによって犯人が誰であるかはっきりとするようなものです。

こういったことを「明白」といいます。

この犯行は窃盗罪になるのか、殺人罪になるのか、そのことは法律に記載されています。

窃盗罪とはどういったものなのか、殺人罪とはどういったのものか、論理的に説明できるように記載されており、窃盗罪と殺人罪の違いははっきりしています。

このように区別がはっきりすることが「明確」です。


明白と明確の使い方の違い

疑う余地がなく、はっきりしていることには「明白」を使用します。

家を出るときに雨が降っていました。

傘が必要なことは、誰が見ても明らかです。

こういったはっきりとわかることに「明白」を使用します。

紛らわしいものの区別がはっきりとしていることには「明確」を使用します。

「あの仕事お願い」といわれても、あの仕事とはコピーをとることなのか、電話をすることなのか、何を指しているのかわかりません。

しかし、「コピーとりをお願い」といわれれば、「あの仕事」が意味するものは電話をすることではないことがはっきりとします。

このように区別をつけることに「明確」を使用します。


明白と明確の英語表記の違い

「明白」は英語で、一見してあきらかなさまの意味では“obvious”、あいまいさのない意味では“clear”、はっきりわかる意味では“plain”と表記をします。

「明確」は英語で、はっきりしたという意味では“clear”、確実なという意味では“definite”と表記をします。

明白の意味

「明白」とは、誰が見てもあきらかで疑う余地がないことです。

その根拠や理由が確実である意味が含まれています。

買い物をして荷物を袋に入れているとき、卵を落としてしまいました。

卵を見ると割れています。

これは陳列されていたときから割れていたのではなく、落として割れてしまったことははっきりしています。

卵を落とした場面を見ていた人なら、誰にとってもはっきりしていることでしょう。

このようにあきらかで疑う余地がないことを「明白」といいます。

明白の使い方

誰が見てもはっきりしていて疑う余地がなく、根拠や理由が確実であることに使用をします。

家を出るときに子どもに「傘を持って行きなさい」と声をかけました。

このとき、外では雨が降っています。

なぜ傘を持って行かなければならないのかと問われたら、雨が降っているからとはっきりと理由を答えることができます。

雨が降っているから傘が必要なことは誰が見てもはっきりしていることで、その根拠や理由は確実です。

このようなことに「明白」を使用します。

明白を使った例文

・『危険が伴うことは明白だ』
・『掃除をする必要があることは明白だ』
・『彼がここにいたことは明白だ』
・『力不足であることは明白』
・『今後の課題が明白になった』

明白の類語

「明快」「明晰」などが類語です。

「明快」とは筋道がはっきりしていてわかりやすいこと、「明晰」とは物事の中身や内容が筋道立ててはっきりしていることです。

明白の対義語

「不明瞭」が対義語です。

はっきりしないことという意味があります。

明確の意味

「明確」とは、紛らわしいものの区別がはっきりしており、論理的にあきらかであり、間違いがないことです。

2つのコップが並んでいて、そのコップの中には茶色い液体が入っています。

1つは麦茶、もう一方はウイスキーです。

色が似ているので、見た目だけではわかりません。

このようなことは、「明確」ではないといえます。

液体を口に含んだり、においを嗅いだりすれば、麦茶とウイスキーの区別がつきます。

また、成分分析をすることでもはっきりします。

見た目だけでは紛らわしいものが、味やにおいなどによって区別がはっきりしました。

こういったはっきりすることが「明確」です。

明確の使い方

紛らわしいものの区別がはっきりすることに「明確」を使用します。

区別とは、あるものと他のものとが違っていると判断をすることで、2つ以上のものが存在していることになります。

つまり、「明確」は他のものと比べる場合に使われるということです。

明確を使った例文

・『問題を明確にする』
・『システムを変えたことには明確な理由がある』
・『明確な指示を与える』
・『やるべきことが明確になった』
・『彼と僕との身長差は明確だ』

明確の類語

「正確」が類義語です。

正しく確かなことという意味があります。

明確の対義語

「不明確」が対義語です。

「不」には打ち消す意味があります。

まとめ

どちらの言葉にもはっきりしているという意味が含まれていますが、「明白」は誰が見てもあきらか、「明確」に紛らわしいものの区別がはっきりしているという違いがあります。