「有機肥料」と「化学肥料」と「化成肥料」の違いとは?分かりやすく解釈

「有機肥料」と「化学肥料」と「化成肥料」の違いとは?専門用語・業界用語

ホームセンターに行くと実に様々な植物の種や苗が販売されています。

お花を育てて自分だけのホームガーデンを作ったり、自分の手で育て上げた野菜を収穫するのも楽しそう。

しかしそんな家庭菜園に欠かせないもののひとつである肥料にも種類があります。

初めての方はいったいどれを選べばいいのかわからないのではないでしょうか。

そこでこの記事では「有機肥料」「化学肥料」「化成肥料」の違いを分かりやすく解説していこうと思います。

1,肥料の役割 そもそも肥料とは何のために必要なのでしょうか。

お花や野菜などの農作物は土から根っこを通じてリン酸や窒素、カリウムなどの「無機養分」を吸収して育ちます。

しかし土の中の養分には限りがあるため、そのまま放っておくと養分が無くなってしまうのです。

養分が無くなると栄養が不足し生育が悪くなってしまうので、その足りなくなった土の養分を補ってあげる役割を果たすのが「肥料」というわけです。


「有機肥料」とは?

有機肥料とは植物性もしくは動物性の有機物から作られた肥料のことです。

植物や動物そのもの、または動物の排泄物などが原料になっています。

有機肥料の主な役割は、土への栄養の補充と土壌の改良です。

有機肥料は土の中の微生物により分解される事で植物が吸収できる養分へと変わるため、その効果が長く続き、また環境にも優しい肥料になっています。

しかし有機肥料を混ぜた土は「窒素飢餓」「ガス障害」などの問題が起こる場合があるので、農作物を植え付けられるようになるまで長くとも一ヶ月程度は土づくりに時間をかけなければなりません。


「化学肥料」とは?

そんな有機肥料より即効性に優れているのが化学肥料です。

化学肥料とは鉱物などの無機物が原料となっている化学的工程を使って作られた肥料のことです。

肥料となる成分の含有量が有機肥料よりも多いのが特徴です。

土づくりに時間がかからないので、すぐに農作物を植え付けることが出来るなど使い勝手の良さが一番のメリットとなっています。

しかし水に溶けやすい成分のため環境汚染に繋がったり、土のなかの微生物が減ってしまったり、農作物自体の味が変わってしまったりなどのデメリットもあります。

「化成肥料」とは?

化成肥料とは化学肥料のひとつです。

化学肥料のなかで無機養分一種類のみを保証する肥料のことを『単肥』と呼び、窒素、リン酸、カリウムのうちの二種類以上の成分を保証する肥料のことを『複合肥料』と呼びます。

そして複合肥料のなかでも、単肥や複合肥料を配合し造粒または成形した肥料、あるいは肥料もしくは肥料の原料に化学的な操作を加えて製造された複合肥料のことを『化成肥料』と呼びます。

化成肥料は大量生産されているため安価で手に入り、即効性がある使い勝手のいい肥料です。

しかし化成肥料には有機肥料のように土壌を改良する効果が無く、化成肥料のみに頼りすぎると土壌が十分育たず、農作物が病気がちになってしまいます。

また肥料焼けを起こしやすい部分にも注意が必要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

有機肥料と科学肥料にはそれぞれメリット、デメリットがあります。

ふたつの特徴をしっかり把握し、適切に使い分けよりよい農作物栽培に役立てていきましょう。