この記事では、「田んぼ」と「水田」と「畑」の違いを分かりやすく説明していきます。
この3語はいずれも農耕地を指す言葉ですが、目的とする作物や農業形態の違いにより、名称が異なりますので、この記事を参考にしていただければ幸いです。
「田んぼ」とは?
「田んぼ」とは主に「穀物」を栽培する農耕地「全般」のことです。
主に後述の「水田」を指し、稲作で使われることが多い農耕地ですが、厳密には「陸田」などと呼ばれ、水を張らずに「穀物」を栽培するための農耕地もあり、後述の「畑」も一部含みます。
ただし、日本における土地の登記事項においては、「田んぼ『=田』」は「農耕地で用水を利用して耕作する土地」、「畑」は「農耕地で用水を利用しないで耕作する土地」と定義されており、言葉本来の意味と法律上の意味が若干異なるため、注意が必要です。
「水田」とは?
「水田」とは、農耕地表面に農業用水を張った「田んぼ」のことです。
「畦『あぜ』」と呼ばれる土を盛り上げた壁で仕切りを作り、四角形に囲んだ空間に、川などを利用した用水路から入水、排出を可能にした形態の「田んぼ」を指します。
「水田」は水源である山中から水に溶けた養分が運ばれてくることや農耕地中の養分が貯めこんだ水に溶け込み作物に浸透しやすくなるなど、農耕地が栄養不足になりにくく、連作障害が起きにくいという利点があります。
主に稲作で利用される農地ですが、クワイやサトイモ、蓮の花などの野菜、花木なども栽培されています。
また、農作物の栽培だけでなく、貯水槽としての機能も持ち、水害防止や気候・気温調節、水生生物の生態系維持といった、地域において重要な役割を果たしています。
「畑」とは?
「畑」とは、穀物、野菜、豆、芋、果樹などを栽培するための農耕地のことです。
形態としては前述の「水田」と同様に「畦『あぜ』」で仕切った空間を耕作したものや柵で仕切ったもの、ビニールハウスなど多様ですが、共通しているのは「農耕地で用水を利用しないで耕作する土地」であるということです。
「畑」は「水田」に比べ、自動的に養分が補給される仕組みではないため、農耕地の養分消費が激しく、連作障害になり易い傾向にあります。
一方で、農耕地が常に空気に触れており、酸化状態に保たれるため有機物の分解が早く、肥料などを撒けば回復もまた早いという利点もあります。
その他、言葉の意味としては技術や学問、ビジネスにおいての「領域」を指す場合もあります。
用例としては「ITビジネスは私にとって畑違いだ」などです。
「田んぼ」と「水田」と「畑」の違い
まず、「田んぼ」は主に「穀物」を栽培する農地「全般」を指し、「水田」、「畑」も一部含みます。
次に「水田」と「畑」の違いについては、「形状」が異なり、「水田」は「農耕地で用水を利用して耕作する土地」、「畑」は「農耕地で用水を利用しないで耕作する土地」を指す点が違います。
まとめ
「田んぼ」と「水田」と「畑」についてまとめると以下となります。
・「田んぼ」は主に「穀物」を栽培する農地「全般」です。
・「水田」は「農耕地で用水を利用して耕作する土地」です。
・「畑」は「農耕地で用水を利用しないで耕作する土地」です。