四月と十月は人事異動の季節です。
新しい場所で心機一転仕事をするというのは楽しみでもありますが、もちろん不安も大きいかと思います。
ところでこの人事異動にはいくつかの種類があることを皆さんは知っているでしょうか。
この記事では、「転勤」と「転籍」と「出向」の違いを分かりやすく説明していきます。
「転勤」とは?
転勤とはおなじ企業や官公庁などの中で勤務地が変わる事です。
例えば同一企業の東京のオフィスから札幌のオフィスに所属が変わることなどを転勤と呼びます。
人事面での活性化を図ったり、おなじ業務に長い期間携わることによって発生してしまう慢心の防止、取引先との不正防止、人気のある都市部や人気のない僻地など偏った支社や営業所から定期的に交代させるためなどの理由により、この転勤は行われます。
「転籍」とは?
転籍とは所属していた企業などの組織を辞め、別の組織に移籍する事です。
もともと労働契約を結んでいた企業を退職し、新たに別の会社と労働契約を結ぶので、「転職」と「再就職」が同時に行われるものと考えるとわかりやすいかと思います。
人材育成、グループ企業全体での業績向上、雇用調整などを目的として行われることが多く、一旦元いた企業を退職するので労働契約が新たに結ばれることになり、また転籍する労働者には原則退職金が支払われます。
「出向」とは?
出向とは所属している企業に労働者としての所属を残したまま、ほかの企業の事業所などで長期間の勤務をすることです。
転籍も出向のひとつであり、籍ごと出向先に移して勤務をすることを「転籍出向」、籍を元の所属先に残したまま他の企業で勤務をすることを「在籍出向」と言います。
一般的に前者を転籍、後者を出向と呼んでいます。
出向も転籍と同じく人材育成や業績向上、雇用調整などを目的に行われます。
出向は元いた企業を退職するわけではないので転籍と違い退職金は支払われません。
出向期間が終わればまた元の企業で勤務をすることになります。
「転勤」と「転籍」と「出向」の違い
転勤と転籍、出向の大きな違いは、企業内で人事異動が行われるかそれとも企業外で人事異動が行われるかの部分にあります。
同じ企業内であれば引っ越しを伴う異動であってもそれは「転勤」です。
そして勤務地がさほど変わらなくても、別の企業に移動することになるならそれは「転籍」や「出向」となります。
そして転勤や出向は就業規則に転勤や職種変更の可能性について記載されている場合がほとんどなので、基本的には拒否出来ません。
対して転籍は一般的な人事異動とは異なるため、事情があれば拒否することが出来ます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
突然の異動命令にはじめは戸惑うかもしれませんが、自分のキャリアアップや能力向上、新しい人脈を作るいい機会だと考え、今まで在籍していた企業には無かった新たな視点から仕事に取り組んでみるのもいいかもしれません。