サッカーなどのスポーツで反則行為をした選手を審判が退場処分にすることがあります。
しかし似たような言葉でも退出処分とは言いませんし、退席処分とも言いません。
この三つの言葉はどのような違いで使われるのでしょう。
この記事では、「退場」と「退出」と「退席」の違いを分かりやすく説明していきます。
「退場」とは?
退場とはスポーツが行われる競技場や舞台、イベント会場などの区切られた場所から出て行くことを指します。
「試合が終わったので選手一同が退場をはじめる」や、「ライブ終了後の規制退場が行われる」など、その場所から出て行くことを言います。
転じて、スポーツなどにおいてはルール違反をしたひとに対して強制的に試合から離脱させることを退場処分、もしくは単に退場と言います。
怪我などでやむを得ず離脱する場合は負傷退場と呼ばれます。
「退出」とは?
退出とはあらたまった場所や目上のひとの前から立ち去ることを指します。
例文としては「裁判所で証言を終えたので退出を命じられた」や、「社長にあいさつをしてから社長室を退出した」などといった風に使われます。
退場も退出も共に「それまでいた場所から立ち去る」という意味を持ちますが、退場は舞台やグラウンドなどの「広い会場」から立ち去る際に使われ、対して退出は「その場所にいるひとの前」から立ち去る際に使われます。
「退席」とは?
それでは退席とはどういった場合に使われるのでしょう。
退席は会議や小規模な話し合いなど、比較的狭い場所で行われていたことから離れることを言います。
とどまっていた場所から立ち去るという意味では「退場」と同じですが、退場とは使われる場所の広さや規模に違いがあります。
リモート会議で使われるのは?
現在多くの会社がテレワークという仕事のあり方を取り入れつつあります。
会社に出勤せずとも家のパソコンで業務が出来るため、本来なら社内の会議室などを使い行われているはずの会議も今はテレビ電話などを使ったリモート会議が主流となりました。
サービスによっては同時に500人が同時に参加出来るこのリモート会議。
この場合、会議を終え通話を終了する際に使われるのは「退場」でしょうか。
それとも「退席」でしょうか。
調べてみると、世界中で一番多く使われている某オンラインミーティングサービスでは通話を切ることを「ミーティングを退出する」と表記されていました。
会議と言えどネットの中。
実際に皆が同じ場所同じ会場にいるわけではないので、「その場所から出て行く」退場や退席ではなく「会議をしている相手の前から立ち去る」という意味で退出が使われているのだと思われます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
「退場」と「退席」と「退出」はすべてその場所から出て行く、立ち去るといった意味をもつということでは共通しています。
しかし使用される場所や状況、場面によって用いられる言葉が異なってくるのです。
会議室から退場する、なんて言ってしまうと途端に大袈裟な感じになってしまうので、適切に使い分けていきましょう。