腕時計の技術はここ数十年で劇的な進歩を遂げました。
それは機能自体に関わるものも沢山ありますが、一番大きいのは正確さです。
腕時計の主流であった機械式時計の精度は日差20秒程度でしたが、クオーツになって月差20秒(機械式とは単位が違います)、そして電波時計は月差1秒以内です。
これだけ見ても現在の時計がいかに「正確」かがわかります。
ここで使用した言葉「正確」という言葉、他にも似たような言葉として「精確」や「精密」があります。
これらは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「正確」と「精確」と「精密」の違いを分かりやすく説明していきます。
「正確」とは?
「正確」とは、「正しくて確実」なことです。
「正確な時間」は、「正しい」時間と同じであることを表し、「電話の内容の正確な記録」と言えば、電話の内容の真実に対してどこまで近い内容の記録であるかが問われます。
対義語は「不正確」で、英語では「correct」あるいは「accuracy」です。
「精確」とは?
「精確」は、発音が「正確」と同じなので、意味も混同して使用されることも多いのですが、実は違う成り立ちの言葉です。
文字の通り「精緻で正確」というのが本来の意味です。
つまり、「正しい」ことと「精密」であることを兼ね備えた状態を表現するのに適した言葉なのです。
逆に言えば単純な意味である「正確」や「精密」よりも使用する機会が少ない言葉とも言えます。
英語では「precise」が近いでしょう。
「精密」とは?
「精密」とは、「精緻で細かい」ことです。
どちらかと言うと「細かい」ことを評価する言葉です。
英語では「accurate」という単語が最も近いと思われます。
「正確」と「精確」と「精密」の違い
この3つの言葉の違いは何を評価基準にするか、すなわち評価の対象となるのは何かということです。
「正確」が対象にしているのは、「正しさ」です。
前述のクオーツ時計の月差20秒は、月間通して測った時の正しい時間との差です。
その意味では「精度」を評価するのが「正確」です。
「精密」は「細かさ」を評価します。
機械式時計などでは、ひとつひとつの部品が小さい上に複雑な形状です。
このような「細かさ」が「精密」です。
最後に「精確」は一般的には「正しさ」と「細かさ」の両方を評価する言葉です。
前述の時計の部品は「細かい」だけではダメで、寸法や形状は指定されたものと寸分違わぬ「正確」さも必要になるので、結果として「精確」であると言って良いでしょう。
まとめ
この記事では、「正確」と「精確」と「精密」の違いを説明してきました。
序文で述べたように、現在の腕時計は大きく進歩していて、以前とは比べ物にならないくらい「正確」で、その内部の部品は「精確」、機構は「精密」です。
特に「正確」さの追求においては日本の技術が大きく秀でています。
さらに、現在はそれだけではなく、以前は、スイスの時計メーカーに太刀打ちできなかったデザイン性や高級感を兼ね備えた製品も沢山作っています。
今後も腕時計の進化に注目して行きましょう。