同じようで違うような言葉に感じる「冷静」・「冷徹」・「冷淡」ですが、何か違いや使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「冷静」と「冷徹」と「冷淡」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「冷静(れいせい)」の意味とは?
「冷静」とは、「感情に左右されず、物事に動じず、落ち着いていること、そのさま」を意味する言葉です。
「冷」は「冷(ひ)える」や「冷(つめ)たい」と書くように、「ひえる」や「つめたい」、「情が薄い」、「さびしい」という意味を持つ他、「落ち着いたさま」という意味も含みます。
「静」は「静(しず)か」と書くように、「しずか」や「音がしない」という意味の他、「じっとして動かない」という意味を含みます。
「冷静」を使った例文
・『彼は幼い頃から冷静沈着な性格だった』
・『緊急事態に見舞われても、彼女は常に冷静さを保っていた』
・『いつもは冷静な同僚が、今日は珍しく動揺していた』
「冷徹(れいてつ)」の意味とは?
「冷徹」とは、「感情に左右されず、物事を冷静に見通すこと、そのさま」を意味する言葉です。
「徹」という字は「とおす」や「貫く」、「貫き通す」という意味を持っています。
「冷徹」を使った例文
・『冷徹な判断を下せるリーダーに恵まれたおかげで、チームは成功を収めることができた』
・『この経営者はビジネスにおいては冷徹な人物であるが、普段は情に厚い人である』
・『彼は冷徹だが、理屈っぽいのでどこか話しかけづらい』
「冷淡(れいたん)」の意味とは?
「冷淡」には以下の意味があります。
・「物事に興味や関心を示さず、熱心でないこと、そのさま」
・「親切心や同情など、思いやりに欠けること、そのさま」
「淡」は「淡(あわ)い」とも書き、「(色や味などが)うすい」という意味の他、「こだわらない」や「気持ちがさっぱりしている」という意味を含みます。
「冷淡」を使った例文
・『近年、人付き合いに対して冷淡な人たちが増えているようだ』
・『涙で訴える被害者たちに対して、企業は終始冷淡だった』
・『彼の冷淡さは次第に周囲の人々を遠ざけてしまった』
まとめ
「冷静」は「動じず、落ち着いていること」を指し、対して「冷徹」は「動じず、落ち着いて物事を見通すこと」を指しています。
したがって、「いつも冷静な人だ」と表現した場合は「いつ、どんなときも動じない人」という意味になり、「いつも冷徹な人だ」と表現した場合は「いつ、どんなときも動じずに物事を見通すことができる人」という意味になります。
一方、「冷淡」は「関心を示さないこと」や「温情がないこと」を指しており、「冷静」や「冷徹」とは全く違う意味の言葉です。
どちらかと言えば、「思いやりがなく、むごいこと」を意味する「冷酷」に近い言葉と言えます。
したがって、「いつも冷淡な人」と表現した場合は「いつ、どんなときも関心を示さない人」や「いつ、どんなときも情に薄い人」という意味になります。