「優しい」と「易しい」の違いとは?分かりやすく解釈

「優しい」と「易しい」の違い生活・教育

「優しい」「易しい」はどちらも「やさしい」と読みます。

それぞれ異なる意味を持っているので、その違いについて紹介します。

「優しい」とは?

「優しい」には、他人に対して思いやりがあるとか温和で好ましい感じがするといった意味があります。

また、悪い影響を与えないという意味で使われることもあり、その場合には「地球に優しい」といった言い方をします。

平安時代に生まれたもので、「痩す(やす)」という言葉に由来しています。

「痩す」の形容詞形が「やさし」になります。

痩せ細るような思いをしているという様子を表しており、恥ずかしいとかみすぼらしいといった意味で使われていました。

それが周りに対して引け目を感じて慎ましやかに振る舞う様子を表す言葉になります。

そして、慎ましい姿は健気で優美に見えることから、好感を持つことを表す言葉として使われるようになりました。

さらに発展して思いやりがあるという意味になり、親切だとか心が温かいといった意味で使われるように変化していったのです。


「優しい」の使い方

「優しい」を使った具体的な例を幾つか挙げてみます。

・寝る前に絵本の読み聞かせをする時は、なるべく優しい口調で話すようにしています。

・その美容液は刺激が少なく肌に優しいので、敏感肌の人でも問題なく使用することができます。

・心根が優しい少年に出会い、嬉しくなりました。

・彼女は優しい性格なので皆から好かれるが、もう少し自己主張をした方がいいと思う。


「易しい」とは?

「易しい」には、単純で分かりやすいとか理解や習得がしやすい、たやすいといった意味があります。

優しい配慮があったから分かりやすいというところから派生した言葉だといわれています。

「易しい」の使い方

「易しい」を使った具体的な例を幾つか挙げてみます。

・今回の数学の試験は、易しい問題が多かったように感じました。

・未経験者ならもっと易しいコースを選ぶ方がいいと思います。

・口で言うだけなら易しいが、実際に行動を起こすのは案外難しい。

「優しい」と「易しい」の違い

「優しい」は他人に対して思いやりがあるとか温和で好ましいといった意味で使われています。

それに対して「易しい」は、単純で分かりやすいとかたやすいといった意味で使われています。

日常会話などでは「優しい」を使うことの方が圧倒的に多いので、「易しい」を使う機会はあまり多くありません。

「優しい」「易しい」は同音異義語なので、「易しい」という意味で「やさしい」を使うと聞いた人が混乱してしまうことも多いからです。

ただし、試験問題などの話題の際には「やさしい」というと「易しい」をイメージします。

まとめ

「優しい」は他人に対して思いやりがあることや温和で好ましい様子といった意味を持つ言葉です。

「易しい」は、たやすいとか単純で分かりやすいといった意味で使われている言葉です。

使われる頻度が高いのは「優しい」になります。