相手との関係を良くするために、本心を隠して相手のご機嫌を取るような言葉を言ったことはありますか。
また会いたいと特に思っていなくても、別れ際にまた会おうと言ってしまうなど、好印象を残したいあまり反射的に言うこともあるでしょう。
そのようなときは「社交辞令」になるのか、「お世辞」になるのか、あるいは「建前」になるのか、どれに該当するのでしょうか。
この記事では、「社交辞令」と「お世辞」と「建前」の違いを分かりやすく説明していきます。
「社交辞令」とは?
世間付き合いを円滑にするために用いる決まり文句や嘘の褒め言葉です。
思ってもいないことを相手との人間関係を良くするために言います。
内実の伴わない空々しい言葉で、外交辞令とも言います。
「社交辞令」の例文
「社交辞令」の例文を紹介していきます。
・『私は彼がまた連絡するって言ってくれたのは、社交辞令だと思いました。』
また連絡するなど期待させるような「社交辞令」を言い、二度と連絡しない人もいるので気をつけましょう。
・『社長はピンクのネクタイがとてもお似合いですねと、私は社交辞令を言ってしまいました。』
上司に気に入られたくて、とりあえず苦し紛れに褒め、「社交辞令」を言っていることもあるでしょう。
「お世辞」とは?
相手の機嫌を取ろうとして言う、口先だけの褒め言葉です。
お追従とも言います。
「お世辞」の例文
「お世辞」の例文を紹介していきます。
・『あなたの演奏はお世辞抜きで本当に素晴らしく、感動しました。』
心の底から思っていることを表現するときに「お世辞抜き」と表すことがあります。
・『彼の絵は、お世辞にも褒められるものではありませんでした。』
本当にひどい状態のときは、嘘の評価すらできず「お世辞にも~ない」と表現します。
「建前」とは
表向きそのようになっている方針、原則のことを表します。
また、本音を言えないような状況の中で、場の空気を壊さないように要求されている意見だけを言うことです。
「建前」の例文
「建前」の例文を紹介していきます。
・『建前では、私がお金を払うべきですが、両親が気遣って払ってくれました。』
招待した側が払う予定で表向きはそうでしたが、親が見かねて援助してくれることもあるでしょう。
・『あなたの本音は違って、建前で部長の意見に賛同していたのですね。』
本心を話せる信頼できる人に、実はあのとき「建前」を言っていましたと、打ち明けるときに使います。
「社交辞令」と「お世辞」と「建前」の違い
「社交辞令」と「お世辞」と「建前」は本心ではないことを言うという意味では共通していますが、少しずつ使う場面が違います。
「社交辞令」は社会の上で人間関係を良くするためという意味が強く、果たされることがない約束を言うなど、褒め言葉以外にも使います。
「建前」は褒め言葉や約束とは限らず、周囲の空気を読んで嘘をつくことです。
まとめ
「社交辞令」も「お世辞」も「建前」も嘘ということになります。
「社交辞令」は褒め言葉だけでなく約束なども含み、「お世辞」は褒め言葉のみ、「建前」は約束や褒め言葉、嘘の意見など色々含みますが、全て周りに気を遣って合わせているときに使います。
どれにしても全て嘘なため、使い道を間違えると却ってトラブルになります。
なるべく嘘はつかないように気をつけましょう。