日本人が好きな魚といえばマグロですが、マグロの中でも人気の部位が「中トロ」と「大トロ」です。
どちらも高級部位の代表であり寿司屋でも高値が付けられていますが、このふたつの具体的な違いはどこにあるのでしょうか。
今回は、マグロの「中トロ」と「大トロ」の違いについて解説します。
「中トロ」とは?
「中トロ」とは「マグロの可食部のうち脂肪分がそれなりに多い部位」を指す言葉です。
一般的に「中トロ」といえば「油がそこそこ乗ったマグロの肉」という意味で使われています。
ほとんど脂肪分がない「赤身」に対し「中トロ」白痴の中でとろける脂肪分が豊富に含まれていることから味わいの良い高級品として扱われています。
「中トロ」がとれるのはマグロの「背中」「腹」「頭頂部」「尻ビレの付け根付近」です。
この部分は身に脂肪が乗りやすいことから適度な割合で赤身と脂身が混じった中トロが取れます。
「中トロ」に具体的な基準はなく取引するものが中程度の油のノリ具合だと判断したマグロの肉が「中トロ」として扱われます。
人によって基準にズレがあるのでほとんど脂が乗っていないものからタップリと脂がのっているものまで、身の脂の乗り具合にかかわらずさばいて販売する者が「中トロ」であると判断すれば全て「中トロ」として扱われます。
「中トロ」の使い方
・寿司屋で中トロの握りを注文する。
・魚屋で中トロの刺し身が安く変えた。
・中トロばかり食べるので財布の中身が心配になってきた。
・中トロというには脂が乗りすぎている。
「大トロ」とは?
「大トロ」とは「マグロの可食部のうち脂肪分が特に多い部位」を指す言葉です。
具体的な基準はありませんが一般的には脂肪分の割合が赤身と同程度以上の部位を指して「大トロ」と読んでいます。
マグロの肉の中では最も味が良く高級な部位であり赤身とは全くの別物として扱われます。
寿司屋などでは高い値段で提供され、店によっては何倍もの価格差がつけられることも珍しくないほどの高級品です。
明治以前は脂が乗りすぎていてマグロの味が損なわれるとして下等扱いされ、さらに傷みやすいこともあってほとんど食用には回されず捨てられていました。
冷蔵技術の発達とともに鮮度を保ったままマグロが輸送されるようになると脂肪分特有のとろけるような味わいが高く評価されるようになり、今につながる高級品としての地位を不動のものにします。
現在では「大トロ」は魚介類の中でもトップクラスの高級食材として珍重されています。
「大トロ」の使い方
・奮発して大トロを注文する。
・大トロは脂の味が強いので他の寿司を味わった後に食べた方がいい。
・立派な大トロをこの値段で買えるとは、わざわざ漁港まで足を運んだ甲斐がある。
・赤身と大トロを食べ比べる。
「中トロ」と「大トロ」の違い
「中トロ」と「大トロ」の違いは「脂の乗り具合」です。
マグロの肉のうちほどよく中くらいに脂が乗っているのが「中トロ」で、脂の割合が大きいのが「大トロ」です。
「大トロ」は脂が乗りやすい腹肉からのみとれますが、同じ腹肉でも「中トロ」程度の脂のノリ具合の悪もあることから部位で明確に区別するのは困難です。
通常は目利きによって区別され、ほどほどの脂乗りなら「中トロ」、十分すぎるほどの脂乗りなら「大トロ」になります。
まとめ
「中トロ」と「大トロ」はどちらもマグロの部位ですが味も価格も大きく違います。
食べる機会がありましたら脂の乗り具合を見てどちらに当てはまるのか考えてください。