「接着」と「密着」と「粘着」の違いとは?分かりやすく解釈

「接着」と「密着」と「粘着」の違いとは?生活・教育

この記事では、「接着」「密着」「粘着」の違いを分かりやすく説明していきます。

「接着」とは?

「接着」とは、ものとものが近い距離で接することです。

主に、異なる物質の接触している面がぴったりくっつく現象を指します。

「接着」に使われている漢字の意味を見てみると、「接」はつなぐ、近づく、「着」はくっついて離れないことを表しています。

このことから「接着」は、ものとものが結合して離れなくなる現象を指していることが分かります。

物質が「接着」する仕組みには、物理的、化学的な相互作用、機械的な結合、または静電気が引き付ける力などが関わっており、液状の接着剤を媒介として結合する方法が一般的です。

「接着」のメリットは、溶接やねじによる結合と異なり、物質の素材を問わず利用でき、接触している面をすき間なく接合できる点です。


「密着」とは?

「密着」【みっちゃく】とは、ものとものがすき間なく接触している様子を指します。

漢字の「密」は近いこと、すき間がないことを表し、「着」はくっついて離れないことを意味しており、これらを組み合わせた「密着」は、ものとものがぴったりとくっついている様子を表します。

「密着」は、人や物が非常に近い距離で接近している様子を指す言葉です。

触れるほど近いというニュアンスで使われることもあります。

また、物理的に人や物が接近している様子を指すだけでなく、取材の対象となる人物や事件を調べるため追いかける状況も「密着」と称することもあります。


「粘着」とは

「粘着」【ねんちゃく】とは、粘ってものにくっつく現象のことです。

漢字の「粘」はねばねばすること、「着」はくっつくことを意味しており、これらを組み合わせた「粘着」は粘り気の強いためくっついてしまう様子を表しています。

「粘着」とは、水分を含んで粘り気を持つ半固体の物質が接触したほかの物質とくっついて離れなくなる現象を指します。

その原理を利用したのが、ボンドや粘着テープなどの粘着剤です。

粘着剤は接着剤のように乾燥しないのでくっつけたりはがしたりできるという特徴があります。

そのほか、「粘着」という言葉は、ねちねちと執着する様子や性格を指すときにも使われます。

ネットスラングとしては、コミュニティサイトでしつこく荒らしをする行為を指します。

「接着」と「密着」と「粘着」の違い

「接着」「密着」「粘着」は、ものとものがすき間なくくっつく様子を表すところが共通しています。

ただし、それぞれの状況には違いがあります。

「接着」「粘着」は、ものをくっつける性質を持つ媒介により互いの接触面がぴったり結合する現象です。

「接着」には液状の接着剤でものをくっつける方法があります。

接着剤が乾燥すると硬くなるので、ものを引き離すことはできなくなります。

「粘着」は半固体状のねばねばした粘着剤によってものがくっつくことです。

粘着剤は常に水分を含んで柔らかいので、はがしたりくっつけたりできるところが「接着」と異なります。

「密着」は、粘着剤などでものの接触面を固定することではありません。

人や物が非常に近い距離で接近している様子を指します。

完全にくっついているわけでないところが「接着」「粘着」との違いです。

なお「粘着」は、ねちねちした態度や性格を表す時によく使われますが、「接着」「密着」はそのような使い方がされません。

まとめ

「接着」「密着」「粘着」はどれもぴったりくっつくイメージがあり、同じような意味を持つ言葉に見えますが、意味や状況は少しずつ異なります。

それぞれの言葉の正しい意味を理解し、適切に使い分けていきましょう。