「研ぐ」と「磨ぐ」と「砥ぐ」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「研ぐ」と「磨ぐ」と「砥ぐ」の違いとは?生活・教育

この記事では、「研ぐ」「磨ぐ」「砥ぐ」の違いを分かりやすく説明していきます。

「研ぐ」とは?

「研ぐ」【とぐ】とは、刃物の切れ味を良くするため表面をこすって鋭くすること、米などの表面についた汚れを落とすためこすって洗うことです。

漢字の「研」には、こすって研く、みがいて汚れを取る、という意味があります。

漢字の意味を見てみると、石や硬い物を表す「いしへん」に2本の棒を表す「かい」が組み合わせてあり、2本の棒が同じ長さになるよう石で磨いてそろえる様子が示されています。

「研ぐ」は、刃物や硬い物をこすって表面を鋭くしたりなめらかにしたりする作業を指します。

主に、刀や包丁の切れ味を良くすることに用いられる言葉です。

また、米を炊く前に表面のぬかを落とすためこすり洗いすることも「研ぐ」といいます。

また「研」には、努力して状態を高めるという意味もあり、精神を集中して感覚を鋭くすることは「精神(心)を研ぎ澄ます」と表現されます。


「研ぐ」の例文

・『包丁を研ぐのは難しい』
・『ご飯を美味しく炊くコツは、米を手早く研ぐことです』


「磨ぐ」とは?

「磨ぐ」【とぐ】とは、品物の表面を磨いて、汚れを取ったりつやを出したりすることです。

漢字の「磨」には、みがくという意味があります。

漢字の成り立ちを見てみると、手作業を表す「麻」「石」が組み合わせてあり、手で石を磨く動作を表していることが分かります。

「磨ぐ」は主に、鏡や靴など品物の表面を磨き、汚れを落としてつやを出す作業を表しています。

「磨ぐ」の例文

・『専用の洗剤で鏡を磨いだらとてもきれいになった』

「砥ぐ」とは

「砥ぐ」【とぐ】は、刃物の切れ味を良くするため表面をこすって鋭くすることです。

漢字の「砥」はものを磨いて平らにする、鋭くするという意味があります。

漢字の成り立ちを見てみると、「砥」「いしへん」と刃物を表す「てい」が組み合わせてあり、刃物を石に当て鋭く磨いている様子を指すことが分かります。

「砥ぐ」は包丁、ハサミ、刀など刃物の切れ味を良くするため、「砥石」【といし】などに当てて磨く作業を指します。

刃物は使い続けるとどうしても刃先がこぼれて切れ味が悪くなるため、定期的に砥いで刃先をなめらかに整える必要があるのです。

刃物を磨くことのみを指しており、ほかの品物を磨く作業を「砥ぐ」と呼ぶことはありません。

「研ぐ」と表記することもありますが、「砥ぐ」と意味は同じです。

「砥ぐ」の例文

・『刃の欠けた包丁を粗砥石で砥ぐ』
・『包丁をシャープナーで砥いだら切れ味が復活した』

「研ぐ」と「磨ぐ」と「砥ぐ」の違い

「研ぐ」「磨ぐ」「砥ぐ」は、いずれも「とぐ」と読み、ものの表面をこすって研く作業を指していますが、微妙にニュアンスが異なります。

「研ぐ」は主に、刃物の切れ味を良くしたり米を洗ったりすることを指すときに使われます。

また、刃物をとぐ場合は「砥ぐ」とも表記できます。

「磨ぐ」は、ものをこすってきれいに磨くことです。

「研ぐ」「砥ぐ」には表面をこすって削り落とすニュアンスがありますが、「磨ぐ」は表面をやさしく磨き上げるといったニュアンスを持つところが異なります。

まとめ

「研ぐ」「磨ぐ」「砥ぐ」「とぐ」と読み、ほぼ同じ作業を表しています。

読みづらい「磨ぐ」「砥ぐ」の代わりに「研ぐ」を使っても意味は通じますが、状況に応じて細かく使い分けると、より具体的な描写が可能となるでしょう。