他人に自分の考えを伝える、事の状況を伝える時などに使われる言葉「釈明」「説明」「弁明」。
これら三つの言葉、違いは一体どこにあるのでしょうか。
この記事では、「釈明」と「説明」と「弁明」の違いを分かりやすく説明していきます。
「釈明」【しゃくめい】とは?
「釈明」は、解き明かすこと、誤解や非難などに対して事情を伝えて理解を求めることという意味の言葉です。
何か問題を起こしてしまい、相手や周囲の人に迷惑をかけてしまったとします。
申し訳ないと思いつつ、こちら側にも立場や状況で仕方なかった部分もあるというような場合、そのことを伝え相手や周囲の人に理解を求めます。
「釈明」とは、「理解を求める」ことに重きを置いた言葉になります。
「釈明」の例文
・『彼のつらい立場は理解できる、釈明の機会を与えてほしい』
・『きちんと事情を説明し、釈明したほうがいい』
「説明」【せつめい】とは?
「説明」とは、事柄の内容や意味をよく分かるようにときあかすことという意味です。
例えばこの記事のことです。
冒頭でも述べていますが、この記事は「釈明」と「説明」と「弁明」の違いについて「説明」しているわけです。
先述の「釈明」は、たくさんの「説明」から出来ているというわけです。
「説明」の例文
・『言葉の違いについて、わかりやすく説明できているか心配だ』
・『釈明の機会を与えられなかった、せめて事情だけでも説明させてほしい』
・『自分の立場や状況を説明し、釈明する』
「弁明」【べんめい】とは?
「弁明」とは、自分の立場や事情をはっきり述べることという意味の言葉です。
相手や周囲の人に事情を説明するということでは「釈明」と同じような意味合いですが、「弁明」は、事情を説明し「事実を伝える」ことが重要です。
「釈明」では理解を求めますが、「弁明」では求めません。
もし最終的に理解を求めることが目的であっても、「弁明」自体には理解を求めるという意味合いは含まれていません。
「弁明」の例文
・『弁明の機会すら与えてもらえなかった』
・『弁明も出来ないとなると、もうお手上げだ』
「釈明」と「説明」と「弁明」の違い
「釈明」では、事情を説明し「理解を求める」ことを目的とします。
立場や状況で仕方のないことだった、周囲が誤解しているだけなどなど、事情を伝え訴えかけることで理解を求めます。
「説明」とは、いろいろな事柄を「伝える行為」そのものです。
「釈明」も「弁明」も、たくさんの「説明」から出来ているわけです。
「弁明」では、事情を説明し「事実を伝える」ことはしますが「釈明」のように理解を求めることまではしません。
「釈明」の一歩手前が「弁明」といったようなイメージです。
まとめ
普段生活している中で何かを「説明」する機会はあっても、問題を起こして「釈明」や「弁明」しなくてはいけないような立場にはなりたくないもの。
周囲をよく見て、節度を持って生活し、問題を起こさずに暮らしていきたいものです。