この記事では、「指導」と「助言」と「勧告」の違いを分かりやすく説明していきます。
厳しいイメージのあるこの3語ですが、実は強制力がなく、言われる側は任意となります。
ではそれぞれいかなる行為なのかを以下の記事で説明しますので、参考にしていただけますと幸いです。
「指導」とは?
「指導」とは、目的をもって教え導くことを意味する言葉です。
「指導」は「する側」の特定の意図に沿って「される側」が、自発的もしくは自力で特定の目的に到達するように誘導する行為となります。
なお、「指導」は「される側」が「する側」からの教えを「尊重」することを前提としていますが、「命令」や「指示」と違い「する側」に強制力がなく、目的に到達するための行為や方法も「される側」が自分の意志で選択するものであり、「する側」から明示された手順、方式といった内容に完全に沿う必要はありません。
その他、柔道などの武道で、選手がルール違反をごく軽く犯した場合の警告メッセージやマイナスポイントとして「指導」という言葉が使用される場合もあります。
「助言」とは?
「助言」とは、近くから助けになるような意見をいうことを意味する言葉です。
単なる「激励」と「慰め」とは異なり、しっかりと相手の「役に立つ」意見や言葉を指します。
ただし、前述の「指導」同様、「助言」は「命令」や「指示」と違い強制力がなく、「される側」がその意見を取り入れるかどうかは自由です。
また、その意見が「尊重」されるかどうかも「する側」との人間関係によるものであり、言葉の定義としては関係ありません。
その他、法律用語においては、ある機関に対し他の人物または機関がなすべき行為に必要となる事項を進言する際に「助言」という言葉が使用されます。
「勧告」とは?
「勧告」とは、主に行政機関が公務達成のため、公的な方法で相手方へある行動を告げ強く勧めることを意味する言葉です。
「勧告」は一般的には行政機関など、権力のある存在が、別の行政機関へ相互に行うものと個人・法人に対して行うものの2つがあります。
また、前述の「指導」、「助言」と同様に「命令」や「指示」と違い強制力がありません。
ただし、一般的には行政機関など、権力のある存在から「重大な事項」について通達されるのが「勧告」となります。
「指導」と「助言」と「勧告」の違い
まず、「助言」は「される側」の意図に沿うものであることに対し、「指導」と「勧告」は「する側」の意図に沿うものである点が違います。
次に「指導」と「勧告」の違いについて、「指導」は「される側」から「する側」への「尊重」を前提に「目的へ誘導」するものですが、「勧告」は「する側」の権力を背景に「される側」へ「強く勧める」ものである点が違います。
まとめ
「指導」と「助言」と「勧告」についてまとめると以下となります。
・「指導」は「される側」から「する側」への「尊重」を前提に「目的へ誘導」することです。
・「助言」は「される側」の意図に沿って、近くから「役に立つ」意見を出すことです。
・「勧告」は行政機関などが特定の行動を「強く勧める」ことです。
なお、この3語はどれも強制力を持たない行為です。