この記事では、「不満」と「苦情」と「苦言」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不満」とは?
「不満」は「ふまん」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「十分ではなく、不足しているものがあること」という意味で、完全な状態ではない様子を言います。
2つ目は「物足りなく思うこと」という意味で、足りないものがあり、納得できない気持ちのことを言います。
上記に共通するのは「足りない」という意味です。
「不」は「~しない」「~でない」という打ち消しの意味、「満」は「みたす」とも読み「十分に足りて欠けたところのない」という意味、「不満」で「十分に足りておらず、欠けていること」になります。
「不満」の使い方
「不満」は名詞・形容動詞として「不満だ・である」「不満を持つ・持った」と使われたり、形容詞として「不満な」と使われたりします。
基本的に、不足しているものがあり、それについて物足りなく感じる気持ちに対して使われる言葉です。
「不満」の例文
・『彼は仕事の内容に対して給料が低いことに不満を持っている』
「苦情」とは?
「苦情」は「くじょう」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「他から害や不利益などをこうむっていることへの文句」という意味で、不平や不満の気持ちを表した言葉のことを言います。
2つ目は「対応しきれない程の事情」という意味で、困難な事情を抱えていることを言います。
上記に共通するのは「苦しい気持ち」という意味です。
「苦」は「くるしい」とも読み「にがにがしく思う」という意味、「情」は「なさけ」とも読み「ものごとに感じて生じる心の動き」という意味、「苦情」で「ものごとに感じてにがにがしく思う気持ち」になります。
「苦情」の使い方
「苦情」は名詞として動詞を伴い「苦情を言う・言った」「苦情が来る・来た」などと使われます。
基本的に、自分が納得できない気持ちを表した言葉や、それを相手に伝えることに使われる言葉です。
「苦情」の例文
・『市長の発言に対して市民から苦情が殺到した』
「苦言」とは?
「苦言」は「くげん」と読みます。
意味は「本人のためを思い、言いにくいことをあえて言っていさめる言葉」です。
相手にとって都合の悪いことであっても、相手のためにとあえて言うことです。
「言」は「いう」とも読み「ことば」という意味、「苦言」で「にがにがしく思う言葉」になります。
「苦言」の使い方
「苦言」は名詞として動詞を伴い「苦言を呈する・呈した」「苦言を聞く・聞いた」などと使われます。
基本的に、相手のためを思ってあえて厳しい言葉を述べることに使われる言葉です。
「苦言」の例文
・『今のままの感染対策では不十分であると専門家が苦言を呈した。
「不満」と「苦情」と「苦言」の違い
「不満」は「不足しているものがあり、それについて物足りなく感じる気持ち」という意味です。
「苦情」は「自分が納得できない気持ちを表した言葉や、それを相手に伝えること」という意味です。
「苦言」は「相手のためを思ってあえて厳しい言葉を述べること」という意味です。
まとめ
今回は「不満」と「苦情」と「苦言」について紹介しました。
「不満」は「物足りない気持ち」、「苦情」は「納得できない気持ち」、「苦言」は「相手の為に言うこと」と覚えておきましょう。