この記事では、「危篤」と「昏睡」と「臨終」の違いを分かりやすく説明していきます。
より分かりやすくお伝えするため、説明する順番は「昏睡」、「危篤」、「臨終」といたします。
「昏睡」【こんすい】とは?
「昏睡」とは、外部から刺激を与えても意識が戻らず、無反応なことを意味します。
肉体的反応は多少認められることもありますが、精神的反応は全くないという最高度の意識障害を指します。
意識が戻ってくれば回復する見込みもありますが、意識が戻らず亡くなってしまう可能性もあります。
「昏睡」【こんすい】の例文
・病気を患い入院した祖母の状態は思わしくなく、昏睡状態が続いている。
昏睡状態は意識障害の程度を表すものであり、今にも死にそうという意味は含んでいません。
例文の祖母は病状が良くないため、亡くなってしまいそうではありますが、今すぐ死にそうかの予測については含まれていない表現となっています。
「危篤」【きとく】とは?
「危篤」とは、意識の有無に関わらず、身体状態の悪化により今にも死にそうなことを意味します。
あくまで死にそうであり、その後に亡くなることが予測されるという状態です。
そのため、亡くなってしまう可能性は高いですが、奇跡的に状態を回復させる場合も含んでいます。
また、本人の意識の有無については特に関係がありません。
「危篤」【きとく】の例文
・入院していた祖母が危篤状態であると、病院から母の携帯に連絡があった。
昏睡の例文に続く内容となっています。
危篤状態になると亡くなる可能性が高いため、病院から親族へ連絡することがあります。
状態によっては意識があり、声かけに反応できる場合もあります。
「臨終」【りんじゅう】とは?
「臨終」とは、死の瞬間。
一般的には、医師により死の判定を下した時点を意味します。
そのため、本人に意識はありませんし、その後に状態が回復することもありません。
「臨終」【りんじゅう】の例文
・急いで病院に向かったため、祖母の臨終の場にはどうにか立ち会えた。
危篤の例文に続く内容となっています。
「昏睡」や「危篤」は生(せい)の状態を表現していますが、「臨終」は生から死へと切り替わる時点の表現です。
「昏睡」【こんすい】と「危篤」【きとく】と「臨終」【りんじゅう】の違い
「昏睡」と「危篤」については、その後に状態が回復する可能性もあるという点では共通していますが、「昏睡」が意識のない状態であるのに対し、「危篤」が意識の有無に関わらないといった点で違いがあります。
「昏睡」と「臨終」については、意識がない状態という点では共通していますが、「昏睡」はその後に回復する可能性があるのに対して、「臨終」は回復することがないといった点で違いがあります。
「危篤」と「臨終」については、先に述べたように、意識の有無とその後に回復する可能性のどちらについても違いがあります。
まとめ
死に関わる「昏睡」、「危篤」、「臨終」といった言葉が使用されるのは、大切な人を失うかもしれない、人生の中で特に大事な場面であったりします。
その際、正しく状況を理解し、必要な対応を考え、適切な行動を起こすためには、このような言葉をしっかりと理解しておくことが重要となるのです。