この記事では、「恥ずかしい」と「気まずい」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「恥ずかしい」と「気まずい」の違い
「恥ずかしい」【はずかしい】と「気まずい」【気まずい】は、人目を意識した時に生じる、どちらかというと居心地の良くない感情です。
ひとことで言うと「恥ずかしい」は、人に見られることに対して「照れくさい」「きまりが悪い」と思う感情。
「気まずい」は、人と同じ空間を共有する時におぼえる「居心地の悪さ」です。
「恥ずかしい」と思う気持ちの主な原因は、自分または他人の欠点や失敗にあります。
対して「気まずい」という感情の原因は、自分と相手の間に生じたぎこちない空気にあるところが「恥ずかしい」と異なっています。
「恥ずかしい」と「気まずい」の使い方の違い
「恥ずかしい」は、人に見られると「照れくさい」「きまりが悪い」と思う時に使います。
また、他人を見て「みっともない」と感じた時にも「恥ずかしい」と言うことができます。
「気まずい」は、人に会った時や一緒に過ごす時「なんとなく居心地が悪い」と感じた場合に使うとよいでしょう。
「恥ずかしい」と「気まずい」の英語表記の違い
「恥ずかしい」の英語表記には“embarrassed”“ashamed”“shy”“humiliated”があり、それぞれ少しずつニュアンスが異なります。
少し恥ずかしい程度なら“embarrassed”を、恥ずかしさを強く感じる場合は“ashamed”を、恥ずかしがり屋な人が恥ずかしがる時は“shy”と使い分けます。
また、恥をかかされて面目を損ねる場合は“humiliated”を使うのが適切です。
「気まずい」は英語で“awkward”“awkward”などと表記されます。
“awkward”はぎこちない雰囲気が流れる時、“awkward”は居心地が悪く不快に思う時の気まずさを表しており、ニュアンスは微妙に異なります。
「恥ずかしい」の意味
「恥ずかしい」は、人に見られることに対して「照れくさい」「人目につきたくない」と感じること、または自分の欠点に対して「体裁が悪い」と感じることです。
名詞の「恥」【はじ】は、欠点や失敗があるために面目や名誉を傷つけることを指し、形容詞の「恥ずかしい」は欠点や失敗に対して気後れする感情を表しています。
「恥ずかしい」の使い方
「恥ずかしい」は、自身の欠点や失敗が人に見られることに対し「体裁が悪い」「ばつが悪い」と感じる時、公開している時に使う言葉です。
また、きまりが悪くて照れくさい時にも「恥ずかしい」を使います。
主に、自身の存在や感情に対して用いる言葉ですが、他人の言動を見て「みっともない」「情けない」と感じた時にも「恥ずかしい」を使うことがあります。
少し照れくさい、どことなく恥ずかしい思いをする場合は「気恥ずかしい」を用いるのが適切です。
「気」は「どことなく」という意味を付加する接頭語であり、「気恥ずかしい」は「恥ずかしい」よりも感じ方が軽い時に使われます。
「恥ずかしい」を使った例文
・『好きな女の子に見つめられて恥ずかしい』
・『字が下手で、手紙を出すのが恥ずかしい』
・『そこまでほめられると恥ずかしいなあ』
・『怠けてばかりいた自分が恥ずかしい』
・『マナーを守らない人は、見ていてこっちが恥ずかしくなる』
「恥ずかしい」の類語
「恥ずかしい」の類語には「照れくさい」【てれくさい】、「面映ゆい」【おもはゆい】、「やましい」などがあります。
「照れくさい」:ほめられた時などにきまりが悪いと感じること
「面映ゆい」:ほめられたり叱られたりして、きまりが悪いと感じること
「やましい」:気が引ける、後ろめたいと思うこと
「恥ずかしい」の対義語
「恥ずかしい」の対義語は「誇らしい」【ほこらしい】です。
「誇らしい」は得意な気持ち、自慢したい気持ちになることを指します。
自分の欠点や失敗に対して体裁が悪いと思う「気恥ずかしい」気持ちとは、まさに正反対の感情といえるでしょう。
「気まずい」の意味
「気まずい」とは、相手と気持ちが通じ合わない時などに生じる「居心地が悪い」「落ち着かない」という感情のことです。
「気まずい」に含まれる「まずい」は漢字では「不味い」と表記し、味覚が悪いことを意味します。
また、味の悪さ以外にも出来栄えや都合が悪いことを指す時に使われます。
「気」は「どことなく」という意味を付加する接頭語であると同時に、気持ちや心情を表す文字でもあります。
つまり「気まずい」は、どことなく都合が悪いと感じるような居心地の悪さを示す言葉となっているのです。
「気まずい」の使い方
「気まずい」は、他人を意識した時に起こる感情です。
その人との間に何か対人関係を悪くするような出来事があったため、次に会った時、または一緒にいる時などにぎくしゃくした雰囲気になり、居心地の悪さを感じる時に「気まずい」を使います。
それは、耐えがたいほどの強い不快感ではなく「我慢できるけれど不快だ」「どことなく落ち着かない」といった範囲の感情です。
相手のことが苦手、相手に対して後ろめたいと思っている、コミュニケーションがうまくいかない時などに「気まずい」と感じることが多いでしょう。
「気まずい」を使った例文
・『二人の間で会話が続かず、気まずい雰囲気になった』
・『妻に嘘がばれ、気まずい空気が流れる』
・『私は合格したけど友達は不合格になってしまった、なんだか会うのが気まずいな』
・『ふられた女性とエレベーターで二人きりになったので、とても気まずかった』
・『同じ服を着た人とすれ違い、気まずい思いをした』
「気まずい」の類語
「気まずい」の類語には「ばつが悪い」【ばつがわるい】や「間が持てない」【まがもてない】などがあります。
「ばつが悪い」:きまりが悪いこと
「間が持てない」:時間を持て余してしまうこと
「居心地が悪い」:その場にいるとどことなく落ち着かないこと
「気まずい」の対義語
「気まずい」の対義語はありません。
もし、反対の意味を持つ表現を探すならば、類語「居心地が悪い」の対語「居心地が良い」が近い言葉にあたります。
まとめ
「恥ずかしい」と「気まずい」はどちらも、きまりの悪い、どこか落ち着かない感情を表す言葉です。
互いにニュアンスは似ていますが、定義や使い方は少し異なります。
「恥ずかしい」と「気まずい」の意味や使い分け方を理解して日常会話に活用していきましょう。