この記事では、「了承」と「承知」と「容赦」の違いを分かりやすく説明していきます。
「了承」とは?
物事・事柄を受け入れて、引き受ける、相手の事情、申し出などを納得して承知することを指す言葉で、「ご了承ください」という言葉では相手に対して理解を願うという意味合いになります。
また、ビジネスの世界では上司が部下に対して使う言葉とされており、同僚や目下の人に対しては「了解」という言葉を代わりに使います。
性質的に了承は敬語表現との組み合わせが可能で、「ご了承ください」という使い方もできます。
英訳するとunderstandになります。
「承知」とは?
要求や願いなどを聞いて引き受けること、事情、理由などを知ること。
それらを知っていること。
わかっていることを指します。
「わかりました」という言葉を丁寧にしたときの使い方として「承知しました」があり、目上の人に使うケースが多い謙譲語になります。
比較的丁寧な言葉であることから政治の世界でもよく聞かれるもので、相手に承知していることを伝えるため、「承知していません」などのようにそのまま使います。
「ご承知おきください」のでは相手に承知して欲しいときに使います。
英語で承知はknowとなり、承知したではI understandとなることから、直接的な英語はないとも言えます。
「容赦」とは
控えめにすることや手加減をすること、手落ちなどを許すことを指す言葉で、客や目上の人に対して不具合を許してもらう意図の言葉として「ご容赦ください」があります。
「情け容赦ない」という言葉がありますがこの言葉には手加減がないという意味、許さないという意味の両方が強く現れていると言えるでしょう。
「容赦なく」「容赦しない」など逆の意味合いにして使うこともある言葉です。
容赦は英語で他に勘弁、許し、免罪などを意味するpardonですが、容赦ないの英語はRelentlessとなり、こちらは執拗ななどの意味が含まれます。
「了承」と「承知」と「容赦」の違い
「了承」と「承知」は相手の事情を聞いて引き受ける、理解してもらうという大枠の意味は同じ言葉ですが、「了承」は、する側が目上の人が使い、「承知」するのは目下の人になります。
また、「承知する」は「わかる」の謙譲語にあたり「承知いたしました」など丁寧な表現とつなげて使うことが一般的です。
「了承」は同等の立場や目下の人に使う場合は「了解」という言葉で言い換えます。
「容赦」は控えめにすること、手加減すること。
落ち度を許してもらうという意味合いの言葉で、承知、了承と比べると謝罪の意図としての使い方になります。
「容赦ない」は逆の意味合いで強めの表現です。
まとめ
「了承」と「承知」と「容赦」は人に願うという根本は同じですが、理解をしてもらうことを願い、目上や同僚など立ち位置で使い方が異なるのが「了承」と「承知」、許しいもらう願いという意味が含まれるのが容赦となります。