人が周囲の人たちに物事を広める行為を表す言葉に「喧伝」や「宣伝」「吹聴」などの言葉があります。
これらの言葉は似たような意味を持っているように思えるのですが、実際にはどのようなことを指しているのでしょうか?
そこでこの記事では「喧伝」と「宣伝」と「吹聴」の違いを分かりやすく説明していきます。
「喧伝」とは?
「喧伝は「けんでん」という読み方をし、「盛んに言いふらすこと」、あるいは「世間に言いはやし伝えること」といった意味を持っています。
「喧」は単独で「かまびすしい」「やかましい」と読みますが、「しゃべり立てるようにやかましい」という意味合いを持っており、「つたえる」の「伝」をセットになることで、「はやし立てて伝える」という解釈になるわけです。
「喧伝」の例文
では、「喧伝」の例文を挙げてみることにします。
・『デマが喧伝される』
・『喧伝された逸話』
「喧伝」は、さまざなな方法を使って多くの人たちに物事を言いふらされるような場面で使われることが理解できるでしょう。
「宣伝」とは?
「宣伝(せんでん)」は日常生活の中でよく目にすることがありますが、「述べ伝えること」や「あまねく広く伝える」ということを指しています。
特に商品PRで「不特定多数の人々に説明したり、考えを伝えることで理解を深めて広めていくこと」や「その活動」を意味しているのです。
また、「事実をそれ以上に大袈裟に言いふらす」という意味合いで使われることもあります。
「事実を歪曲させて言いふらす」という解釈であり、「ありえないことを宣伝している」という理解と言っても過言ではありません。
「宣伝」の例文
・『 宣伝の効果が高い』
・『宣伝が功を奏し収益が伸びた』
「宣伝」の例文を見ると、前項で触れた「ありえないことを宣伝している」というより、「不特定多数の人々に伝え広めていくこと」という使い方が一般的と言っていいでしょう。
「吹聴」とは
「吹聴」は「ふいちょう」と読み、「広く言い広めること」「言いふらすこと」という意味を持っています。
言い換えると、「色々な人に言いふらす」「多くの人に言い広める」と理解です。
「吹聴」の例文
「吹聴」の例文は以下の通りです。
・『武勇伝を吹聴して』
・『自慢話を偉そうに吹聴』
「喧伝」と「宣伝」と「吹聴」の違い
「喧伝」と「宣伝」と「吹聴」の違いを見ることにいたしましょう。
「喧伝」は「世間に言いはやし伝えること」、「宣伝」は「主義や考え方、商品などの内容や効果を人々に説明して広める」という解釈になりました。
また、「吹聴」は「広く言い広めること」に加え、「多くの人に言い触らすこと」という解釈があrます。
「喧伝」と「吹聴」の意味合いはかなり似通っていますが、伝わる範囲が異なります。
「吹聴」は「嫌いな人の悪口を吹聴する」といったように、広まる範囲が限定的でも使えますが、「喧伝」は、世の中が対象になりその範囲が大きくなっていくのです。
また、「吹聴」は「喧伝」と異なり批判的な要素が強い点も特徴でしょう。
まとめ
「喧伝」と「宣伝」と「吹聴」について説明してきましたが、使われるシチュエーションが異なる言葉なので、しっかりとその意味を理解しておく必要があります。
