仕事をしていると、想定外のことが発生したり、急に締め切りを要請されたりすることがないでしょうか?
このような時に「緊急」というキーワードを思い浮かべる方もいるかと思いますが、この他に「喫緊」「近々」という言葉も出てくることも極まれにあります。
そこでこの記事では、「喫緊」と「緊急」と「近々」の違いを分かりやすく説明していきます。
「喫緊」とは?
「喫緊」は「きっきん」という読み方をします。
この言葉の意味は「差し迫った大切なこと」「期日・締め切りなど事態が目の前に迫ってきて非常に重要なこと」ということを指しているのですが、「喫」は「身に受ける」、「緊」は「切迫する」「厳しい」という意味合いがあることから、「差し迫った重要なこと」という解釈になってくるわけです。
「喫緊」の例文
・『喫緊の課題』
・『喫緊の問題』
ここで挙げた「喫緊」の例文を見ると、「非常に重要、且つできるだけ早く対処しなければならない問題や課題」のことを意味しています。
かなり切迫した感じがしますが、「喫緊」は通常の会話で使われることはほとんどなく、ビジネスシーンや公式な記者会見などの場面で使われていることが多い言葉と言ってもいいでしょう。
「緊急」とは?
「きんきゅう」と読む「緊急」は、「物事の性質が非常に重大で対策などが急がれること」「重大でスピーディーな対応が求められる事象」という意味を持っています。
身近な例としては、万が一のために緊急的なことを目的に子供にスマホを持たせていたり、災害などの緊急事態に食料品などを備えていることが挙げられることでしょう。
「緊急」の例文
・『事は緊急を要する』
・『緊急事態』
「緊急」の例文では、上記のような文が挙げられますが、この他にも「緊急避難」「緊急対策」といったように非日常的な環境下で使われていることが分かります。
「近々」とは
「近々」は「きんきん」「ちかぢか」という読み方になりますが、「近い将来」を意味している表現です」。
「すぐに」「もうすぐ」などの意味合いがありますが、似たような言葉として「直近」ありますが、これは最も近い過去を指していることに対して「近々」はほんの先の近い将来を意味しているのです。
「近々」の例文
「近々」の例文としては、以下のようなものがあります。
・『近々のうちに引っ越す』
・『近々結婚する予定』
「喫緊」と「緊急」と「近々」の違い
では、ここで「喫緊」「緊急」「近々」の違いを見ていくことにします。
「喫緊」は「差し迫った重要なことについて対処すること」という意味を持っています。
ここで「差し迫った」という点に着目すると、「差し迫った」とは、まだその事象が発生はしていません。
「これから起こるであろうことに対する策」という理解になってきます。
これに対して「緊急」は「重大な出来事で非常に急を要する」という解釈になり、「急を要する出来事」は、すでに起きているか、まさに今起きようとしている状態であるのです。
「差し迫っていて大切なこと」を意味する「喫緊」に対して、「近々」は「近い未来」を示しており、「もうすぐ起こる」という未来形の表現となってきます。
また、「近々」は「重要な」というニュアンスが含まれていない点も相違点と言っていいでしょう。
まとめ
「喫緊」と「緊急」と「近々」の違いについて説明してきましたが、これらの言葉は非常に慌ただしい印象を覚える言葉です。
そのために、冷静に対処することができるようにするためにも、個々の言葉を正確に理解しておきたいものです。