この記事では、「見学」と「視察」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「見学」と「視察」の違い
「見学」には、2つの意味があります。
1つめは、実際にその場所に出かけに行って、実際の様子を見て知識を広めることです。
もう一つは、体育などに参加をしないで見ていることです。
「視察」には、実際にその場所に行って、実際の様子を十分に確認するという意味があります。
「見学」には2つの意味がありますが、「視察」と似ているのは、実際にその場所に出かけて、実際の様子を見て知識を広めるという意味です。
似ている意味ですが、同じことを指しているのではありません。
「見学」は知識を広めるために行うものです。
小中学校では、「社会科見学」というものがあります。
これは、知識を広めるために行われているものです。
社会人になってからも、会社などを「見学」することがあります。
これも知識を広めるために行っています。
「視察」は実際の様子を見極めるために行うものです。
東日本大震災の後、総理には多くの情報が伝えらえたことでしょう。
しかし、これは誰かが見てきたものを総理に伝えているのであり、総理自身が実際に見て確認したものではありません。
これは「視察」ではありません。
総理が実際に東日本を訪れ、実際に自分の目でその場所の様子を見極めた場合、これは「視察」といいます。
「見学」と「視察」は、実際に自分自身が出かけていますが、出かける目的が違います。
「見学」は知識を広めること、「視察」は実際の様子を見極めることが目的です。
「見学」と「視察」の使い方の違い
ある場所に出かけて、様子を見て、知識を広めることに「見学」を使用します。
単に出かけることではなく、知識を広める目的があります。
ある場所に行って、その状況を見極めることに「視察」を使用します。
単にある場所に行くことではなく、状況を見極める目的があります。
「見学」と「視察」の英語表記の違い
「見学」は英語で、実際に見て学ぶ意味では“study by observation”と表現をします。
「視察」は英語で“inspection”や“observation”と表現をします。
「見学」の意味
「見学」には、2つの意味があります。
1つめは、知識を広めて学びを深めるために、ある場所に出かけて、実際の様子を見ることです。
企業によっては一般の人の「見学」を受け入れています。
たとえば、キャラメルやチョコレートなどを製造している企業の場合、実際にそれらを作っている工場の様子を見させてくれます。
食品を扱っているため、機械のそばに寄ることはできませんが、ガラスの窓越しの製造している様子を見ることができます。
これは、実際に自分が工場を訪れないと見ることができないものです。
そして、実際に工場を訪れて製造の様子を見るのは、どのように製造されているのかなど知識を広めることが主な目的です。
都心にある工場は少なく、その場所に行くには時間がかかることが珍しくありません。
わざわざ遠い場所に暇つぶしのために行く人は少ないことでしょう。
このように、その場所に出かけて、実際の様子を見て、知識を広めて学ぶことが「見学」です。
ただぼーっと見ることではなく、知識を広めるという目的があります。
また、テレビやパソコンなどを通じて映像を見ることも「見学」ではありません。
「見学」は実際に自分がその場所に出かけて行います。
「見学」のもう一つの意味は、体育などに参加をしないで見ていることです。
体育の授業では激しく体を動かすものが少なくなく、体調が悪いときには参加をするのが難しい場合があります。
そのようなときは許可をもらえば、体育に参加をせずに見ていることができます。
参加はしていませんが、見て学んでいます。
「見学」の使い方
実際に自分がその場所に出かけて、様子を見て、知識を広め学ぶことについて使用をします。
工場の「見学」、農園の「見学」、学校の「見学」など、さまざまな見学が行われています。
また、体育などを休んで見ていることにも使用をします。
この意味では、体育の授業を受けている小中高校生が主に使っています。
「見学」を使った例文
・『工場見学に行ってお菓子をもらった』
・『仕事を見学させて欲しい』
・『見学に来た生徒たちを案内する』
・『見学をしたい方はこちらからお申し込みください』
「見学」の類語
「見物」「観覧」が類語です。
「見物」には、催し物や名所などを見て楽しむという意味があります。
「観覧」とは、人々に見せることを目的に整えられているものを見ることです。
「見学」の対義語
対義語はありません。
「視察」の意味
「視察」とは、その場所に行って実際の様子を十分に確認することです。
ある支援学校では、バリアフリーが不十分であると指摘されていました。
そこで、市の職員が実際にその支援学校に訪れて、その場所の様子を十分に確認をしました。
この例では、市の職員が実際にその場所に出かけています。
誰かに頼んで見てきてもらっているのではありません。
そして、出かけた先で様子を十分に確認しています。
パッと見て終わりなのではありません。
このように、実際にその場所に行き、そして実際にその場所の様子を十分に確認することが「視察」です。
「視察」の使い方
その場所に行って様子を見極めることに使用をします。
その場所に行っていない場合は「視察」とはいいません。
そのため、動画で見るものは「視察」ではないです。
また、「視察」には様子を見極めるという意味が含まれているので、さっと見るだけのものも「視察」とはいいません。
「視察」を使った例文
・『視察のための人々が集まる』
・『施設の視察に訪れる』
・『海外を視察する』
・『会場の視察が行われる』
「視察」の類語
「査察」が類語です。
実際に見て規定通りに行われているかなどを知ることという意味があります。
「視察」の対義語
対義語はありません。
まとめ
どちらの言葉にも、実際にその場所に行くという意味が含まれていますが、何のために行くのか意味が異なります。