この記事では「要請」と「指示」と「命令」の違いを分かりやすく説明していきます。
「要請」とは?
まず「要請」ですが、この言葉には「物事が上手く進むように必要な事項を行うことを願い出て求めること」という意味があります。
「要請」を構成する「要」という文字には「要求する」や「求める」という意味合いが含まれており、「請」も「乞う(こう)」「願う」という意味も持っています。
このことから「要請」は「願い求める」という解釈ができるわけです。
「要請」の例文
では「要請」の例文を見てみましょう。
・『外出自粛を要請』
・『協力を要請』
「外出をしないでください」ということを求めている『外出自粛を要請』、「協力してください」を求める『協力を要請』。
ここで使われる「要請」は「必要なことが実現するように願い求める」ということをさしています。
「指示」とは?
次に「指示」という言葉を考えてみましょう。
「指示」には「具体的に指で差しながら示す」「このようにしてくれと指図する」という意味を持っています。
道に迷ってしまっている人から目的地に行くために道を尋ねられた経験を持っている人もいらっしゃることと思いますが、このような時に指で行くべき方向を指で示したり、目印となる場所などを指でさして伝える時に「指示」が使われます。
「指示」の例文
「指示」の例文は以下の通り。
・『避難指示に従い避難所に向かう』
・『上司に指示を仰ぐ』
災害で避難勧告が出された場合に指示に従って避難所に向かうことや、ビジネスの場面で上司にどのように動くべきを相談した時に「指示」が使われています。
「命令」とは
「命令」にはどのような意味があるでしょうか? 「命令」は「上位の立場にある人から下位の立場にある人にやるべきことを言いつけること」という意味を持っています。
また、この他に「行政機関が法律実施のために制定する決まり」という意味合いも持っています。
「命令」の例文
「命令」の例文を挙げてみると、
・『上司からの命令に従う』
・『業務命令は絶対だ』
このような文を見ることができますが、身近な場面では業務上でよく使われることが分かるでしょう。
「要請」と「指示」と「命令」の違い
「要請」と「指示」と「命令」の違いとは、どのようなものでしょうか? 「要請」は、現在世間を騒がしている新型コロナの感染拡大を防ぐために、国や自治体が大規模な行事を中止したり、不要不急の外出などを求める時に「要請」が使われます。
しかし、「要請」には「求められたことを必ずしなくてはならない」「絶対にやってはいけない」というよな強制力がありません。
あくまでも「お願いすること」を求めているので、その行動に従うのは各自の判断が任せられることになるのです。
強制的な意味合いを持つ言葉は「命令」となり、「絶対に従わなければならないこと」という理解ができます。
企業で仕事に従事している人は会社・上司からの命令は、業務上必ず実行しなければならないこととなるわけです。
「指示」も上から下に伝えられるような印象を覚えますが、「命令」のような強制力はありません。
特に仕事のシチュエーションでは、具体的な方法を示すようなニュアンスを含んでいると言ってもいいかもしれません。
まとめ
ここまで「要請」と「指示」と「命令」の違いを説明してきましたが、それぞれ意味合いが異なってきますので、使い方を正しく理解して使うようにしたいものです。