この記事では、「法令」と「法律」と「法規」の違いを分かりやすく説明していきます。
「法令」とは?
「法令」は「ほうれい」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「国や行政機関で定められた決まりのこと」という意味で、国会により制定される「法律」と、行政機関による「命令」が合わさったものを言います。
因みに、「命令」とは法律を実施する為に、行政機関が制定する決まりのことをいい、罰則が含まれることもあります。
2つ目は上記から転じて「おきてや決まり全般」という意味で、日常的に使われる様々な決まりのことを言います。
上記に共通するのは「守るべき決まり」という意味です。
「法令」の使い方
「法令」は名詞として「法令に従う・従った」「法令順守」「法令に則る」などと使われます。
基本的に、国や行政機関で定められた、国民として守るべき決まりのことであり、下記で紹介する「法律」も含まれます。
「法令」の例文
・『今年から法令により、この日は祝日となった』
「法律」とは?
「法律」は「ほうりつ」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「社会秩序を維持する為に従うべき規範」という意味で、国民が安心して暮らす為に強制される決まりのことを言います。
2つ目は「国会の議決により制定される決まり」という意味で、国会で議論を行い可決される決まりのことを言います。
3つ目は「仏教用語で、仏の教えや定め」という意味で、仏教の戒律のことを言います。
上記に共通するのは「上が定めたおきて」という意味です。
「法律」の使い方
「法律」は名詞として「法律に従う」「法律を守る」「法律違反」などと使われます。
基本的に、日常で使われる場合、国会で議論されて、衆議院で可決することで制定される形式の決まりを表す言葉です。
「法律」の例文
・『法律に反する取引にひっかからない様にする』
「法規」とは?
「法規」は「ほうき」と読みます。
意味は「法律と規則のうち、国民の権利・義務にかかわるもの」になります。
ある法律や決まりの範囲のうち、国民の権利や義務に関わる内容を、どれとは言わず抽象的に表します。
「法規」の使い方
「法規」は名詞として「法規に照らす・照らした」「法規に触れる」「交通法規」などと使われます。
基本的に、法律や法規のうち、国民の権利や義務に関わるものを表す抽象的な言葉です。
「法規」の例文
・『交通法規を守って運転する』
「法令」と「法律」と「法規」の違い
「法令」は「国や行政機関で定められた、国民として守るべき決まりのこと、『法律』も含まれる」という意味です。
「法律」は「国会で議論されて、衆議院で可決することで制定される形式の決まり」という意味です。
「法規」は「法律や法規のうち、国民の権利や義務に関わるものを表す抽象的な言葉」という意味です。
まとめ
今回は「法令」と「法律」と「法規」について紹介しました。
「法令」は「国や行政で制定される決まり」、「法律」は「国会で制定される決まり」、「法規」は「義務や権利に関する決まりの範囲」と覚えておきましょう。