「ひつじ雲」と「うろこ雲」と「いわし雲」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「ひつじ雲」と「うろこ雲」と「いわし雲」の違いとは?専門用語・業界用語

この記事では、「ひつじ雲」「うろこ雲」「いわし雲」の違いを分かりやすく説明していきます。

なお、これらの雲は秋の空の代表的な雲模様であると同時に、降雨の前ぶれでもあります。

「ひつじ雲」とは?

「ひつじ雲」は上空約2000~7000メートル程度の高さに発生する「高積雲」という雲に属します。

もこもこした雲が空を覆う様子から、「ひつじの群れ」を想起させることからこのように呼ばれています。

「高積雲」は後述する「うろこ雲」「いわし雲」が属する「巻積雲」と比べると、低空に発生し、雲が厚いことが特徴です。

なお、「高積雲」「乱層雲」へ変化し、「乱層雲」からは雨が降るため、「ひつじ雲『=高積雲』」は降雨の前ぶれと言われています。


「うろこ雲」とは?

「うろこ雲」は上空約5000~13000メートル以上の高さに発生する「巻積雲」という雲に属します。

細かい円形の雲が空一面にびっしりと敷き詰められた様子が「魚のうろこ」を想起させることからこのように呼ばれています。

「巻積雲」は前述の「ひつじ雲」が属する「高積雲」と比べ、高空に発生し、雲が薄いことが特徴です。

なお、「巻積雲」「高積雲」へ変化します。

前述のように「高積雲」からさらに「乱層雲」へ変化するため、「うろこ雲『=巻積雲』」も降雨の前ぶれと言われています。


「いわし雲」とは?

「いわし雲」は本質的には「うろこ雲」と同じ「巻積雲」に属します。

個々の雲の形が細長い楕円形となっており、これらの団塊が空一面に敷き詰められた形が「いわしの群れ」を想起させることからこのように呼ばれています。

なお、「うろこ雲」と同じ「巻積雲」であることから「いわし雲」も降雨の前ぶれと言われています。

「ひつじ雲」と「うろこ雲」と「いわし雲」の違い

まず、「ひつじ雲」「高積雲」であり、「うろこ雲」「いわし雲」「巻積雲」であるという気象学的な違いがあります。

「高積雲」は雲が厚く、太陽光を遮るため、影が出来ますが、「巻積雲」は雲が薄いため、太陽光を遮らず陰ができません。

また、「高積雲」「巻積雲」は基本的には発生する高さ、つまり観測者との「距離」に違いがあるため、おおよそとなりますが、外見の大きさで見分けることが可能です。

雲を「人さし指」で隠し、雲がはみ出る場合は「高積雲」であり、雲を「小指」で隠して雲がはみ出ずに納まる場合は「巻積雲」であると見分けられます。

一方、「巻積雲」同士である「うろこ雲」「いわし雲」の違いは外見の形状のみです。

円形に近く、魚のうろこのように見える雲が「うろこ雲」、楕円形でいわしの群れのように見える雲が「いわし雲」です。

まとめ

「ひつじ雲」は雲が厚いため影が発生し、外見上「人さし指」を重ねても隠れない大きさの「高積雲」という種の雲です。

一方、「うろこ雲」「いわし雲」は雲が薄いため影が発生せず、外見上「小指」を重ねると隠れる大きさの雲である「巻積雲」となります。

そして、「巻積雲」は個々の雲が円形の「うろこ雲」と楕円形の「いわし雲」に分かれます。