何かを摘み取ったり、成果物を得たりすることを表現する言葉、「収穫」と「採集」と「採取」。
この三つの言葉の違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「収穫」と「採集」と「採取」の違いを分かりやすく説明していきます。
「収穫」とは?
「収穫」とは、農作物のとりいれ、または、農作物でなくても、何かしらの成果を手に入れた時に使う言葉です。
例えば、ある人が旅に出て、見知らぬ土地の人と交流し、新しい価値観を手に入れたとします。
ということは、新しい価値観を手に入れたことが、旅の「収穫」であると言えます。
「収穫」の例文
・『九月から十月にかけては、米の収穫の時期だ』
・『見知らぬ土地の人との交流こそが、この旅の収穫である』
「採集」とは?
「採集」とは、標本や資料にする為に、題材となるものを採って集めることを意味しています。
集めるという漢字が使われていることでもわかるように、ただ採るだけではなく、それらを集めてコレクションすることで、はじめて「採集」していることになります。
コレクションと言っても、購入して得たようなものには「採集」という言葉は使われません。
主に、自分の手で採ってきたようなものに対して使われる言葉です。
「採集」の例文
・『私の趣味は、昆虫を採集してきて標本にすることです』
・『植物を採取してきて集めることを、植物採集と言います』
・『民話を採集する』
「採取」とは?
「採取」とは、ある目的の為に必要なものを選んでとることを意味しています。
あくまでも、採ることが目的であり、集めることは目的としていません。
集めることを目的としていないということは、趣味の為に採るというよりは、研究や調査の為に採るといった部分が大きく、この言葉の特徴の一つでもあります。
「採取」の例文
・『犯人のものと思われる指紋を採取する』
・『この土地では古い地層が採取できるので、研究所が多くあります』
「収穫」と「採集」と「採取」の違い
「収穫」と「採集」と「採取」の違いの一つは、見返りを求めるものかそうでないかです。
「収穫」には、見返りがあります。
何かしらの成果を得た時、または成果を得ようとする時に使う言葉です。
その成果は、物である必要はありません。
先に述べたように、価値観といったものの場合もあるわけです。
「採集」と「採取」は、見返りを求めるようなものではありません。
「採集」とは、主に、趣味の為に集める時に使われる言葉で、自分の手で努力して採ってきたようなものに対して使う言葉です。
そして、採ってくるだけではなく集めることが重要です。
「採取」とは、集めることは目的としておらず、あくまで、採ることが目的です。
そして、趣味ではなく、研究や調査の為に採ってくるという側面を持ち合わせた言葉になります。
まとめ
「収穫」と「採集」と「採取」の違いについて述べましたが、違いがわかりましたでしょうか。
三つの言葉の違いを理解して、皆さんの生活に役立ててください。