この記事では、「国籍」と「戸籍」と「本籍」の違いを分かりやすく説明していきます。
「国籍」とは?
国家と個人を結びつける概念で法務省では「人が特定の国の構成員であるための資格」と定義しています。
国籍の概念によって納税などのシステムが運用できるようになるため、国籍の存在しない国家はありません。
日本国籍を取得する原因には,出生、届出、帰化の3つがあります。
出生は生まれた際の父または母が日本人である時などの定義があり、届け出は認知された子の国籍の取得などのケースが有り、帰化は希望する外国人の意思によって能力条件(成人であること)重国籍防止条件、憲法遵守条件などの条件をクリアし、法務大臣の許可で日本国籍を得るという制度となっています。
外国で生まれた日本人夫婦の子供というケースでも日本国籍を取得します。
「戸籍」とは?
法務省によって「人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもの」と定義されているもので、家族を証明するものと言えます。
家族を公に定義・証明するという性質から、出生、結婚、死亡、親族関係などを登録します。
戸籍は市町村の役場にて管理されていることも特徴です。
戸籍は「本籍」と「筆頭者氏名」で表示される仕組みになっています。
戸籍謄本は戸籍の証明書で、戸籍の全員を記載したものが謄本、戸籍の中の一部の人を記載したものを抄本と言います。
戸籍からは婚姻、死亡、転籍によって除籍されます。
「本籍」とは?
戸籍が置かれている住所を指す言葉で、実際にその住所に住んでいるとは限られません。
住所と本籍が分かれるケースが有り、その場合であれば本籍には家族が住んでいるケースが一般的です。
転籍届を提出することで本籍を変えることが可能です。
結婚して婚姻届を提出する際は婚姻関係にある二人の本籍を書き、二人の新しい本籍を決めて提出することになります。
性質上本籍が二つあるということはありえません。
本籍は税金の申告の大元となるという役割も持っています。
「国籍」と「戸籍」と「本籍」の違い
国籍はその国の人であるということを証明するもの、戸籍は自分と自分の家族構成などを証明するもの、本籍は自分の戸籍がある住所を証明するものとなっており、本籍と戸籍は切り離せない概念となっており、国籍は基本的には生まれてから得られる概念となっています。
ただし、戸籍も国籍も変更自体は可能となっており、国籍は日本では法務省への手続きが、戸籍は市区町村への届け出が必要になります。
(戸籍も管轄自体は法務省)
まとめ
「国籍」と「戸籍」は個人を証明するためにあるもので、国籍はどこの国に住んでいるかを証明し、戸籍は家族関係を証明するものです。
本籍は戸籍の置かれた場所を証明するもので、住所と一致しないケースも有り、戸籍証明書の取得によって証明が必要なケースもあります。
意味合いとしては存在していますが、「戸籍謄本」のように公的な言葉として直接「本籍」のつく証明書はありません。
(「本籍地証明書交付サービス」は戸籍謄本を発行するもの)