「オンブズパーソン」と「情報公開制度」の違いとは?分かりやすく解釈

「オンブズパーソン」と「情報公開制度」の違い専門用語・業界用語

行政の透明化に関する言葉として「オンブズパーソン」「情報公開制度」があります。

この言葉はどのような意味を表すのでしょうか。

今回は、「オンブズパーソン」「情報公開制度」の違いについて解説します。

「オンブズパーソン」とは?

「オンブズパーソン」とは、「市民に変わり行政活動を監視する人」を意味する言葉です。

国や地方自治体は多くの人に取って幸福をもたらす公共の目的を掲げて活動します。

道路を整備したり福祉サービスを提供したりなど活動内容はさまざまですが「行政活動の内容が正しいものであるか市民の立場からチェックし最適化のために行動する人」「オンブズパーソン」です。

「オンブズパーソン」は簡単にいえば「行政の見張り番」です。

行政の活動は議会や主張が相互に監視し権力を有することで一極集中を排除し不正やゆがみを排除する仕組みが取られています。

しかし、権力の癒着や腐敗により行政活動が特定の誰かに利益をもたらすことを優先したり非効率的な活動をしたりすることも少なくありません。

そのような行政のたるみを正すために誕生したのが「オンブズパーソン」です。

「オンブズパーソン」は日本語では「行政関し専門員」と訳されます。

その名の通り行政を監視するために専門に活動する人のことを指す言葉で行政活動を受益者である住民の立場からチェックし活動内容や効率、不正の有無などチェックします。

「オンブズパーソン」がいることにより行政の透明性が確保されるほか、意見集約や意思表明という形での積極的な市民の行政参加を促します。


「情報公開制度」とは?

「情報公開制度」とは、「行政機関が保有する情報を一定の条件のもとで公開する仕組み」を意味する言葉です。

行政活動ではさまざまな情報を扱います。

調査で得られたデータや会議の内容を記録した議事録、行政活動の経緯をまとめた報告書など担当者が変わっても仕事をスムーズに引き継げるよう書類にして記録を残しておくのが公務員の基本的な仕事の進め方です。

行政が保有する膨大な情報は市民にとっても貴重な財産です。

どのようにして開発計画が進められたのか、話し合いはどんな内容だったのかなど市民が知りたい情報はいろいろありますが行政情報の多くは外部に公開されない秘匿情報として処理され簡単にアクセスできませんでした。

そのような行政情報へのアクセス権を認める仕組みが「情報公開制度」です。

「情報公開制度」では所定の手続きにより行政情報にアクセスすることが認められ「情報公開制度」を利用することで知りたかった情報や秘匿されていた行政記録などを利用して行政活動を細かくチェックできます。

「情報公開制度」の導入により市民による行政への監視はさらに厳しさを増しています。


「オンブズパーソン」と「情報公開制度」の違い

「オンブズパーソン」「情報公開制度」はどちらも行政を監視するものですが「オンブズパーソン」が監視する人員を指すのに対し「情報公開制度」は監視のために用いられる手続きを指します。

「情報公開制度」を利用して情報を入手し不正や不都合がないかチェックする人が「オンブズパーソン」です。

まとめ

「オンブズパーソン」「情報公開制度」は開かれた行政を実現するための取り組みです。

地方自治や公共活動ではよく登場する言葉なので正しい意味を知っておきましょう。