何かしらの問題が発生した時に使われる言葉、「措置」と「処置」と「対応」。
これらに違いはあるのでしょうか。
違いがあるとすれば、どこにあるのでしょうか。
この記事では、「措置」と「処置」と「対応」の違いを分かりやすく説明していきます。
「措置」とは?
「措置」には、二つの意味があります。
一つ目は、事態をとりはからうこと、始末をつけること。
何か問題が発生した時に、必要な手続きを取って、問題解決に向け始末をつけることです。
二つ目は、社会福祉施設などの利用を、法律にのっとって決定すること。
「措置入院」という言葉がありますが、精神保健指定医が診察し、受診者が、施設を利用するに相当すると判断された場合は、法律に基づき入院する手続きが取られます。
「措置」の例文
・『部下の不始末に対して、近々必要な措置が取られるだろう』
・『指定医の判断により、施設に入院する措置が取られた』
「処置」とは?
「処置」には、二つの意味があります。
一つ目は、事態をとりはからうことです。
急な問題が発生した際に、適切な対応をしてその場をしのぎます。
二つ目は、病気やけがなどの手当てをすることです。
「応急処置」という言葉がありますが、突発的な事態に対して、とりあえずの対応をして、病気や傷の手当てをします。
どちらの意味にしても、「一方的な対応」という側面がある言葉になります。
「処置」の例文
・『そのミスに対しては、すぐに何かしらの処置をする必要がある』
・『けが人に応急処置をほどこした』
「対応」とは?
「対応」には、三つの意味があります。
一つ目は、互いに向き合うこと、対立することです。
二つ目は、相手に応じて事をすること、という意味です。
相手の状況を見ながら、その状況に応じた処置をするということです。
三つ目は、両者がつりあうという意味です。
両者の力関係などが同程度になるということです。
「対応」の例文
・『タイマン勝負をする為に、俺は彼と対応した』
・『明日はお客様のクレーム対応をしなくてはいけない』
・『東側諸国と西側諸国が対応することにより、東西冷戦時代が生まれた』
「措置」と「処置」と「対応」の違い
「措置」は、問題解決に向けた一連の手続きをひっくるめたような言葉で、解決までを見届けたような言葉です。
一方「処置」は、その場その場での対処のみに限定されたような言葉で、解決に直接結びつくとは限りません。
「対応」は、どちらかというと「処置」と似ています。
ですが、「処置」が、「一方的な対処」というような言葉なのに対し、「対応」は、「相手に合わせた対処」というように、相手基準で考えられた対処というような言葉になります。
まとめ
似たような言葉でも、細かなニュアンスの違う言葉は世の中にたくさんあります。
そのような言葉を使うときに迷ってしまう場面があります。
この記事が、そんな時に役に立てるのであれば嬉しいです。