この記事では、「立ち合う」と「立ち会う」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
立ち合うと立ち会うの違い
どちらも「たちあう」と読みますが、「あう」の漢字が違います。
「立ち合う」は、互いに争いあうことです。
この争いあいには、勝ち負けがあります。
「立ち会う」は、成り行きを見守るためにそばにいることです。
人前式では、結婚の証人となる人がいます。
この人のことを立会人といい、この結果を見守ったり、証人としてその場にいることを「立ち会う」といいます。
立ち合うと立ち会うの使い方の違い
勝敗を決めるために争うことには「立ち合う」と使用します。
「合う」には、2つ以上のものが1つになる、一致するという意味があるので、「立ち合う」が意味する争うことには2人以上がかかわっていることになります。
成り行きや結果を見るために、その場にいることには「立ち会う」を使用します。
成り行きや結果などを見守ることであり、当事者のことを指しているのではありません。
立ち合うと立ち会うの英語表記の違い
「立ち合う」は英語で、正々堂々と争う意味で“fight fair”と表現をします。
「立ち会う」は英語で、その場にいる意味では“attend”、証人の意味では“witness”と表現をします。
立ち合うの意味
「立ち合う」には、互いに勝敗を争うという意味があります。
「合う」には、互いに近づいてくっつく、2つのものが一致する、互いに~するという意味があります。
勝ち負けを争うときには、必ず相手がいます。
つまり、2人以上が関係していることになります。
何分以内に片付けができるかなど、1人で時間などと戦うことは「立ち合う」が意味する争いではありません。
「合う」には互いに~するの意味があるように、「お互い」が争うことをします。
「争う」には、喧嘩や競争の意味がありますが、「立ち合う」が意味する「争う」とは勝ち負けがかかわることです。
猫がじゃれ合って喧嘩しているように見えることは「立ち合う」ではありません。
立ち合うの使い方
勝ち負けにかかわる争いに使用をします。
勝ち負けがかかわる争いには、スポーツや喧嘩のような体を使ったものや、囲碁やゲームなど頭を使ったものなどがありますが、体を使うものでも頭を使うものでも、勝ち負けが関係することに「立ち合う」を使うことができます。
また、スポーツの試合に様な正式なルールがある争いにも、喧嘩のような正式なルールなどないものにも使用することができます。
立ち合うを使った例文
・『あいつと立ち合うことになった』
・『ずるなんかしないで立ち合う』
・『立ち合うときには公平を心がけた』
・『立ち合う機会に恵まれた』
・『立ち合うことになってしまい不安だ』
立ち合うの類語
「争い」が類語です。
立ち合うの対義語
対義語はありません。
強いて言えば、争いを避ける意味で「逃走」が対義語です。
その場から逃げる意味があり、争いを放棄していることになります。
立ち会うの意味
「立ち会う」とは、事の成り行きや結果を見守るためにその場にいること、証人や参考人などとしてその場に出席することです。
選挙の投票所には、事の成り行きを見守る人がいます。
この人たちは、不正がないかを見守ることが役割の一つです。
このように、見守るためにその場にいることが「立ち会う」です。
その人のことではなく、行為のことを指しています。
「会う」は、人と人が対面する、であうという意味があります。
「立ち会う」も人と人とがかかわっていることです。
立ち会うの使い方
見守るためや結果を見るために、その場にいることに使用をします。
野球場に行けば、野球の試合を観ることができます。
見ている人たちは、どちらのチームが勝つのか成り行きを見守ります。
しかし、こういったことは「立ち会う」とはいわず「観戦」になります。
試合をみることでも、証人としてその場にいるなら「立ち会う」になります。
「観戦」の場合は証人ではなく、見物人といいます。
証人は、ある事柄の事実を証明する人のことです。
立ち会うを使った例文
・『お見合いに立ち会う約束をした』
・『ギネス認定のために立ち会う』
・『立ち会う人がいなければ認められません』
・『体調が急変してしまい、立ち会うことができなかった』
・『立ち会う人を探しています』
立ち会うの類語
「立ち合う」は行為のことで人を指しているのではありませんが、類語に近い言葉は「証人」「参考人」です。
「証人」は物事の証明をする人、「参考人」は被疑者以外で出頭を求められる人や、学識経験者などとして意見を求められる人を指します。
立ち会うの対義語
対義語はありません。
まとめ
日本語には、同じ読みだけれど漢字が違う言葉がいくつもあります。
ここで解説したもののその一つです。
漢字が違うだけで意味が変わり、使い方が違います。
漢字の意味、言葉の意味を知って使い分けましょう。