ビジネスでもエンタメでも勢力図というものが存在しています。
様々な用語がありますが、もともとの使い方を飛躍させている言葉もあるのが現代です。
今回はそんな言葉の一つである『席巻する』について見ていきましょう。
「席巻する」の日本語での解釈
これは『片っ端から勢力を広げる』ことを指します。
例えば『A社の製品は市場を席捲した。』などの様に使います。
もともとは戦争用語で、古代中国で使われた言葉でした。
『席』は『むしろ』と呼び、これを『巻く』ことでいろいろな物を一つに纏めるというところから戦争用語に比喩表現として使われたそうです。
「席巻する」の英語とは
もちろん英語にもこの『席巻する』という勢力を広げる意味を表す言葉は存在しています。
今回は単語とイデオムの2種類を見てみましょう。
『Dominate』と『Conquer』
代表的な単語がこの2つです。
一番『席巻する』に近いのは『Dominate』で、これは大きな力や勢力で何かを『支配する』という意味になります。
もう一つの『Conquer』はどちらかというと『征服する』という意味になります。
大きな組織が相手勢力を攻撃などしてその勢力を拡大していくという意味が語源です。
どちらも頻繁に使われる単語であり、様々な場合で使われますので是非覚えたい表現です。
『Take ~by storm』と『Sweep~Across~』
この項ではイデオムをご紹介します。
まず、最初は『Take ~by storm』でこれは『嵐が~を持っていくかの如く席巻する』という意味です。
強烈な嵐という表現があるところに力強さを感じます。
もう一つの表現は『Sweep~Across~』です。
カタカナでも『スイープ』という言葉がある様に箒などで『掃く』という単語ですが、このイデオムは箒で片っ端から掃く様なイメージです。
なんだか最初の『Take ~by storm』と比べて急に家庭的なイメージがしてしまいますが、良く使われる表現です。
『席巻する』もむしろで巻くという行動が由来ですので、そう考えると連想しやすく、身近に感じる表現ではないでしょうか。
「席巻する」を使った英語の例文(使用例)
・『It is the industrial power of China that dominates world manufacturing market today. 』(今日、製造業の市場を席捲するの中国の工業力である。一般的な『Dominate』の使い方です。『Conquer』に変更しても問題なく使うことが出来ます。)
・『Economists could not believe the fact that immigrants have taken 80% of domestic manpower by storm. 』 (経済学者達は国内の労働力の80%が移民によって席巻されている事実を信じることが出来なかった。日本語でも『マンパワー』という言葉がありますが、英語圏でも『労働力』という意味として頻繁に使われています。)
・『Windows 95 swept entire computer market across the world. 』(ウィンドウズ95は世界中のコンピューターの市場を席捲した。ウィンドウズ95は歴史的なキラーコンテンツになりました。『Across』を『Over』にしても問題ありません。)
まとめ
如何でしたでしょうか。
日本語では、古代中国のむしろを巻くという行為が戦争用語になり、そして比喩表現として再び現代のビジネス用語にもなっているのは面白い言葉の沿革ではないでしょうか。
英語でも箒で掃く様な『Sweep~Across~』と荒々しい『Take ~by storm』でしたが、単語もイデオムも頻繁に使われる表現ですので是非使ってみて下さい。