物事には良いことと悪いことがありますが、人生において何とも判別し辛い微妙なニュアンスもあるのが現実です。
今回はそのグレーゾーンを表現する『不幸中の幸い』について英語表現を見てみましょう。
「不幸中の幸い」の日本語での解釈
この表現は『不幸な出来事の中でも何かの救いがあり、最悪のケースを免れた。』という場合に使われます。
例えば大きな事故が発生しても死者や重傷者が出なかった時などは、事故と言う不幸の中でも全員無事だったのは救いであるという意味で『不幸中の幸い』と使います。
「不幸中の幸い」の英語とは
英語でも似た様なイデオムは存在しています。
代表例を2つご紹介しましょう。
一つはイメージが湧きやすいですが、もう一つは英語独特の表現で面白いものです。
『It could have been worse. 』
この表現はそのまま『もっと悪くなってたかもしれない。』と言う意味で英語圏では最も使われる表現です。
『Could have+過去分詞』で『~になっていたかもしれない』という意味を表すことの出来る部分も併せて覚えたい表現です。
厳密には『~になる可能性もあったが、しかしならなかった。』という意味で使えます。
併せて『Would have~』(~したのになぁ。)と『Should have~』(~すべきだった。)も是非違いを覚えてしまいましょう。
『仮定法過去完了』という難しい文法用語ですが、英語圏では頻繁に使われる表現です。
『A silver lining』
日本語にはない英語独特の表現です。
そのまま和訳すると『銀の裏地』で全く意味が分かりません。
実は英語のことわざで『Every could has a silver lining. 』と言う表現があります。
『雲』を『不幸』の比喩として使っており、そんな中でも銀の様に光る裏地があるという意味で『A silver lining』を『幸運』の表現にしています。
つまり、『どんなにどんよりとした雲(不幸)でも銀の裏地(幸運の面)がある。』となり、これが日本語で言う『不幸中の幸い』になります。
普通は『幸運』であれば『Gold』(金)を使いそうですが、完全な幸運ではないという所から『Silver』を使っているのも細かな背景が分かる表現ではないでしょうか。
「不幸中の幸い」を使った英語の例文(使用例)
・『It was a terrible disaster but glad that no one got injured. It could have been worse. 』(ひどい災害だったが誰もケガをしなくてよかった。 不幸中の幸いだ。典型的な『It could have been worse. 』の使い方です。誰かに対しても言うことができます。)
・『I had an accident last night. I have to repair my laptop and don’t know how much it would cost. 』『Hey,but you saved all data, right? It is a silver lining for you. 』 (『昨日の夜にトラブルがあって、ノートパソコンを直さなくちゃいけないんだ。 いくらかかるんだろう。』『おいおい、でもデータは保存してたんだろう?不幸中の幸いじゃないか。』会話形式で『A silver lining』を使うとこの様な形になります。)
・『I could not go to the party last night due to the urgent meeting. Howeve
まとめ
如何でしたでしょうか。
英語に慣れていないとなかなかイメージのしにくい『A silver lining』や『A blessing in disguise』は面白い表現ではないでしょうか。
まずは一番簡単でもあり、応用の聞く『仮定法過去完了』である『Could have~』を使った『It could have been worse. 』を覚えると一歩踏み出しやすいかもしれません。
徐々に慣れて頂き、その他のイデオムも是非使ってみて下さい。