「悪人」と「悪玉」は双方とも「悪」という漢字が使われた言葉ですが、それぞれ意味や使い方などに違いはあるのでしょうか。
この記事では、「悪人」と「悪玉」の違いを分かりやすく説明していきます。
「悪人」とは?
「悪人」は「あくにん」と読む言葉で、「悪い事をする者」「邪悪な心を持つ者」といった意味があります。
「悪」には「正しくない」「醜い」「質が良くない」「憎む」といった意味があり、「人」には「人間」「人柄」などの意味が含まれています。
「悪玉」とは?
「悪玉」は「あくだま」と読み、「良くない行いをする者」「悪い人」または「映画などにおける悪役」という意味を持つ言葉です。
漢字の「玉」には「美しい玉」や「優れた」などの意味がありますが、「悪玉」は江戸時代に大衆向けのイラスト入り小説「草双紙」の挿絵において、円の中に「悪」と書いて悪い人物の顔を表現したことが由来といわれています。
「悪人」と「悪玉」の違い
「悪人」も「悪玉」も「悪い行いをする人物」という意味合いを持っている点は共通していますが、「悪玉」は「映画や舞台などに登場する悪役」という意味も含まれています。
さらに、「悪人」が人に対して使われるのに対し、「悪玉」は人以外のものに対しても使用されています。
例えば、腸内に存在する乳酸菌のうち、ウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌など身体に悪影響を与える菌のことを「悪玉菌」と呼びます。
また、血中を流れる脂質の一種であるコレステロールのうち、増えすぎると血管の壁に層を作って動脈硬化を引き起こすものを「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)」と呼びます。
なお、「悪人」の対義語は「善人」、「悪玉」の対義語は「善玉」になります。
まとめ
「悪人」も「悪玉」も「悪い行いをする者」という意味を持っていますが、「悪玉」は「映画などにおける悪役」を示したり、人以外のものに対して用いられたりするという違いがあります。
両者の違いを理解して、必要に応じて使い分けてみましょう。
ぜひ言葉の違いを学ぶ参考にしてください。