日本語で『面倒を見る』や『お世話をする』という表現は面白いことに英単語には存在せず、『Look after』や『Take care of』の様なイデオムとして使われています。
言語と言ってもそのまま単語に翻訳することができない場合もあるのは語学の面白い所です。
『Take care of』は最近では『テイクケアして置いて』などカタカナとしても聞いた事がありますが、『Look after』はあまり馴染みがない表現ではないでしょうか。
実はこの二つには微妙なニュアンスの違いが存在しています。
この記事では、“Look after”と“Take care of”の違を分かりやすく説明していきます。
「Look after」とは
一言で説明をすると「義務としていつもお世話をする」という意味になります。
これはどういうことでしょうか。
例えば『お世話する』や『面倒を見る』と言っても、ベビーシッターや学校教育などは個人的な思い入れというよりは、ビジネスや義務だから行うという部分があります。
その場合に使うのが『Look after』です。
例えば『I have to look after my parents because a nursing home is full. 』で『老人ホームが一杯なので、私は親の面倒を見なければならない。』という意味になります。
老人ホームの利用ができないので、肉親としての義務があることを示しています。
会社などで新人を教育する場合などには『Please look after him(her). 』(彼(彼女)の面倒を見ておいてください。)という使われ方もします。
これは教育係として新人の面倒をしばらくの間見る様にという意味です。
「Take care of」とは?
一方『Take care of』は『時間に関わらず、気を配りながら世話をする』という意味になります。
これは少し分かりにくいかもしれません。
先ほどの『Look after』と違い、このイデオムには『気持ち』が入っていることがポイントです。
例えばどうしても緊急で買い物に行く必要があり、小さな息子を親戚の中学生や高校生などに面倒見てもらうのをお願いする時は『Look after』は不適切で『Can you please take care of my son?』(私の息子の面倒を見てもらえますか?)という使い方をします。
ビジネスでも使われるイデオムで、何かプロジェクトで誰かのサポートが必要な時に『Would be appreciated if you could take care of this project. 』(もしプロジェクトの面倒を見てもらえたら嬉しいです。)という表現を取ります。
なぜなら、プロジェクトはずっと続くものではありませんし、親切心などの気持ちに対してお願いをされているからです。
この意味では先に上げたカタカナ英語の『テイクケアして』はこの『Take care of』に非常に近い意味で使われていることが分かります。
「Look after」と「Take care of」の違い
この2つの表現は『義務か気持ちがはいっているか』と『ある程度の期間か一時的か』で使い方を分けることができます。
このイデオムの面白いところは、アメリカ英語とイギリス英語で使われ方の頻度が分かれることです。
アメリカでは比較的『Take care of』が使われるのに対してイギリスでは『Look after』が使われるというのも文化的な違いが見える面白い部分ではないでしょうか。
まとめ
如何でしたでしょうか。
『世話をする』や『面倒を見る』にも感情や義務、時間軸の概念があるのはなかなか日本語にはない表現だったと思います。
また、アメリカとイギリスでも頻度に差があるというのも特徴的なイデオムでした。
これ以外にもアメリカではよく使うが、イギリスでは別の表現をするというイデオムが多くあるので、比較してみるのも面白いかもしれません。