「後釜」と「後任」は双方とも同じような意味を持つ言葉ですが、細かなニュアンスなどが異なるため注意が必要です。
この記事では、「後釜」と「後任」の違いを分かりやすく説明していきます。
「後釜」とは?
「後釜」は「あとがま」と読む言葉で、「前任者が退いた後にその地位に就く人」を意味します。
また、「後妻」「再婚した新しい妻」という意味も持っています。
漢字の「後」には「空間、時間においてあと」「後ろの方」といった意味があり、「釜」には「食べ物を煮る金属製の道具」という意味があります。
「後任」とは?
「後任」は「こうにん」と読む言葉です。
「あと」や「後ろの方」を示す「後」と、「役目」や「仕事」などを表す「任」が組み合わさった言葉で、「前任の人に代わってその任務に就くこと、またはその人物」を意味します。
「後釜」と「後任」の違い
「後釜」も「後任」も「前任の人がその地位や任務を退いたあとでその人の地位や任務を引き継ぐ人」という意味を持つ点は共通していますが、言葉の印象に違いがあります。
「後釜」は「かまどの火が残っているうちに次の釜を使う」ことが由来となった言葉で、引き継ぐ人を比喩的に表現した言葉といえます。
また、「後釜」という言葉自体に悪い意味はないのですが、「後釜を狙う」「後釜を争う」といった言い回しがあるように、ややマイナスなイメージで使われる場合もあります。
一方、「後任」は「前任者の任務を引き継ぐこと」を直接的かつフラットに表した言葉で、ビジネスシーンなどを中心に様々な場面で使用されています。
「後釜」の例文
「後釜」は「後釜に座る」や「後釜を探す」などの使われ方をするのが一般的です。
なお、「後妻」という意味もありますが、古い表現になるため現在では用いられる機会は少ないようです。
・『彼女は病気で退任した事務局長の後釜に座った』
・『プロジェクトリーダーの後釜を探す必要がある』
「後任」の例文
「後任」は「後任が決まる」のように使います。
そのほか、引き継ぐ人自体を「後任者」と表現することも可能です。
・『産休に入る先輩の後任が決まった』
・『私の後任者となるAさんに業務を引き継ぎます』
まとめ
「後釜」も「後任」も「前任者の地位や任務を引き継ぐ人」という意味を持ちます。
「後釜」の場合はネガティブな意味合いで使われることがあるため、使用する際は注意しましょう。
ぜひ参考にして、言葉の知識をさらに深めてください。