この記事では、「工夫を施す」と「工夫を凝らす」の違いを分かりやすく説明していきます。
「工夫を施す(くふうをほどこす)」とは?
まず、「工夫」とは「よい手段や方法を見つけようとして、考えを巡らせることやその手段、方法」、「仏道修行などに専念すること、とりわけ禅宗において座禅に専心すること」を意味する言葉です。
そして、「施す」は「恵まれない人へ物質的な援助を与えること」や「哀れみの気持ちで人が困っている状態を助けようとする」、「恵を与える」、「効果や影響を期待して物事を行うこと」や「事態を改善するようなことを行う」など多くの意味を含める言葉です。
ここでは、「飾りや補いのために何かを付け加える」という意味を表しています。
したがって、「工夫を施す」は「よい手段や方法を付け加える」というニュアンスを表したフレーズと言えるでしょう。
「工夫を施す」の使い方
「工夫を施す」は慣用句として使われています。
「工夫を凝らす(くふうをこらす)」とは?
「凝らす」は「心の働きを1つのものや場所に集中させる」、「凝り固まるようにする」という意味の他、「一心に考えを巡らせる」という意味を表します。
したがって、「工夫を凝らす」は「よい手段や方法を出そうと一心に考えを巡らせる」というニュアンスを表したフレーズと言えるでしょう。
「工夫を凝らす」の使い方
「工夫を凝らす」は慣用句として使われています。
「工夫を施す」と「工夫を凝らす」の違い
「工夫を施す」の「施す」は「飾りや補いのために何かを付け加える」という意味を表しています。
したがって、「工夫を施す」は「よい考えなどを付け加える」という意味合いを表していると言えるでしょう。
一方、「工夫を凝らす」の「凝らす」は「一心に考えを巡らせる」という意味を表しています。
したがって、「工夫を凝らす」は「よい考えなどを導き出そうと考えを巡らせる」という意味合いを表していると言えるでしょう。
しかし、一般的にはどちらの語も「よい考えを付け加える」という意味合いで使用されています。
「工夫を施す」の例文
・『集客力アップのために工夫を施す必要がある』
「工夫を凝らす」の例文
・『スタッフが工夫を凝らした結果、商品は大人気となった』
まとめ
「工夫を施す」は「よい考えなどを付け加える」という意味合いを、「工夫を凝らす」は「よい考えなどを導き出そうと考えを巡らせる」という意味合いを表しています。
ただし、一般的にはどちらも「よい考えなどを付け加える」というニュアンスで使用されているということでした。